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20210103『妹背山婦女庭訓』 (1)

2021年の初鑑賞は文楽から。大阪へ遠征して国立文楽劇場での初春文楽公演の第3部『妹背山婦女庭訓』を観て(&聴いて)きました。

女同士のバトル、男の見得、男女の恋情、自己犠牲など、てんこ盛りの内容。
とにかく勘十郎さんが操るお三輪ちゃんが可愛かったです♪
浮き沈みする心情の変化が細やかな仕草からすごく伝わってきました。
(ちなみに、お三輪ちゃんは↑のパンフの子です)

20210103『妹背山婦女庭訓』 (4)

『妹背山婦女庭訓』は、2019年11月の関西猫町の読書会で大島真寿美さんの『渦』を読んで以来観たかった演目。
直木賞受賞で話題になりましたね。
大島さん本人がいらっしゃったり、読書会会場が他でもない国立文楽劇場で皆で文楽鑑賞したりと濃い1日でしたが、詳しくは当時の開催レポを↓
http://www.bookreading.nekomachi-club.com/side/75123

20210103『妹背山婦女庭訓』 (7)
20210103『妹背山婦女庭訓』 (8)

暗くなってきた18時前に国立文楽劇場へ到着。
もう最近では見慣れた風景になった検温と手の消毒をして中へ。
人形もマスクしてます。

20210103『妹背山婦女庭訓』 (5)
20210103『妹背山婦女庭訓』 (6)

年始なので鯛や鏡餅もありました。


20210103『妹背山婦女庭訓』 (2)
20210103『妹背山婦女庭訓』 (3)

あらすじと配役は上の通り。
今回の演目は全五段ある『妹背山婦女庭訓』のうちの四段目。
ツッコミどころ満載のハチャメチャな設定ですが、まあツッコミ始めるとキリがないのでほうっておきましょう。

ちなみに今回の座席は4列目でした。公演1週間前を過ぎていて、しかも初日なのに奇跡的に空いていたので即購入。
お三輪ちゃんが間近で細かい仕草も観れてすごく良かったです♪
特に勘十郎さんは表情豊かに操る人形遣いさんというのがこれまでの印象なので、顔の角度を微妙に変えて感情表現していたり、身体がピクピクしていたり、嫉妬で狂ったりと
三浦しをんさんの『あやつられ文楽鑑賞』で勘十郎さん曰く、「人形の手と、人形の目線の動きとを、ピタリと合わせることが基本中の基本」というのも確かにその通りなんだなと確認できました。

ただ、前の方の席だと、舞台向かって右端にいる三味線さんと太夫さんが完全に視界から外れてしまうので、こちらの方々がお目当てで文楽を"聴く"ならもっと後ろの方が良いですね。
あと、舞台上方に唄っている歌詞の字幕が出るんですが、顔をしっかり上げないと見えなかったのも地味に面倒でした。
歌舞伎だととにかく役者の近くが良い席だろうと思いますが、文楽だと観る人の好みによって席の場所が変わりそうなのが面白いです。


何と言ってもお三輪ちゃんの枠にはまらない積極さが魅力的な段なので、『渦』より一部引用。
「お三輪は、婦女庭訓の外へするっと出ていったおなごです。…。素直な気持ちで、素直に動く。ただそれだけなんです。後先なんて、なんも考えてへん。ただ好きな男のことしか思うてへん。恋や。お三輪にあるのは恋心だけや」

さて、以下はそれぞれの場面で印象に残ったところを。

①道行恋苧環(みちゆきこいのおだまき) 
1番華やかな場面でした!
イケメン男を女2人が取り合って口論するのが見ものという現代のドラマでもありそうな場面。
橘姫&お三輪ちゃんの人形2人がそろい踏みで動きまくるのでどっちを観てれば良いのやら。

太夫も三味線もたくさんいて音も分厚くて華やか。
メインのお三輪ちゃん役が織太夫さん。2月の藝術部の課題本にもご登場。
三味線を率いるのが藤蔵さん。
このメンツって、そういえば11月の『本朝廿四孝』のクライマックス「奥庭狐火の段」で観て、いいなと思った3人でした。
どのように良いかの言語化できるほどの技量はありませんが…。


②鱶七上使の段
一転男臭い場面に。
鱶七が啖呵を切るので、人形の文楽よりは人が演じる歌舞伎版の方が映えそう。
モブの官女たちがやたら動く。逆ナンパするし。文楽に出てくる女性はたいてい積極的な気がする。

③姫戻りの段
男女が再会したので甘々展開になるかと思ったら、おいおい刀を抜き始めたぞ、というまさかの緊迫した展開に。
近松半二はんの仕掛けでしょうか。
恋は盲目。それを利用するイケメン。

④金殿の段
お三輪ちゃんがひたすら可哀想。
モブに虐められて、嫉妬に狂って、いきなり刺されて死んじゃうなんて…。
髪を振り乱して裏切られたイケメンも元へ行こうとする様が、恋に落ちた人間の狂気をこれでもかと見せつけます。
浮き沈みが激しい場面なので、太夫さんの唄がすごく難しそうでした。


各場面毎にバラエティがあり、さらにドラマティックな展開で飽きさせないので、人気演目なのも納得です。
『妹背山婦女庭訓』は、三段目の川を挟んでの「妹山背山の段」も観てみたい場面なので、今後どこかで演目がかからないかチェックしていきたいと思います。
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20201211 名古屋フィル

12/11(金)に名古屋フィルの定期演奏会へ行ってきました。
お目当てはこだわりのプログラムと辻彩奈さんのヴァイオリン。

●メンバー
指揮:マキシム・パスカル
オケ:名古屋フィル

ヴァイオリンソロ:辻彩奈

●曲目
シャブリエ:田園組曲
シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番
ラヴェル:クープランの墓
ベートーヴェン:交響曲第8番


いやー、マニアックなプログラムですねー。(誉め言葉) 
ベートーヴェンの8番なんて7番や9番に比べると全然取り上げられないし、ラヴェルも「ボレロ」「亡き王女のためのパヴァーヌ」のような優美な曲のイメージの方が強い作曲家。
シャブリエとシマノフスキに至っては、今回初めて名前を知りました。

ですが有名曲ばかりではなく、よく分からない曲が並んでいる演奏会こそ、演奏者のこだわりが詰まっていて満足度が高いというのがMY法則なので、積極的に行くようにしています。


座席を定員100%発売しているのにスッカスカ。まあ予想通りですが…。

そんな状況なのに、偶然同じ座席ブロックに名古屋藝術部で良くお会いしていた方がいらっしゃってお喋りを。

ヴァイオリンの辻さんが良く見えるように舞台脇のバルコニー席を確保したのですが、考えていたことは同じだったようです。

一番鮮烈だったのが、シマノフスキの「ヴァイオリン協奏曲第2番」
現代的で抒情的で民族的で蠱惑的ですごく好みな曲。
聴いているうちに異世界へ引き込まれそうな気持になってきました。

そして、かねがねすごいヴァイオリニストと噂を聞いていた辻彩奈さんは初聴でしたが、いやーすごかった!
大編成のオーケストラの音の中でも、弾き始めたとたんに目と耳を引きつけられるパワフルな求心力と存在感の強さが物すごい。
華やかな赤一色のドレスが演奏する音にピッタリでした。
これでまだ23歳とは恐ろしい…。
アンコールの権代敦彦さんの作品も超絶技巧だらけでした。


https://youtu.be/acn_LuuUuYU?t=713

↑別の奏者ですがご参考までに。後半から。


曲として好きなのは、ラヴェルの「クープランの墓」。
1914年から17年にかけての作曲ですが、200年ほど前のフランス古典舞曲の形式を用いているそう。
個人的には、すぎやまこういちさんのドラゴンクエストのような曲だなと思っています。(もちろん本家はラヴェルの方でしょうが)
色彩の豊かさと優美な弦楽器の音が心地よい曲。
マキシム・パスカルさんの導きで、オケがおしゃれで優美なフランスサウンドになっていて曲に良く合っていました。
ただ、第一次世界大戦の後の作曲ということもあるのでしょうが、今回の演奏会では特につらい現実を忘れるためにひたすら美しい響きにしているように感じたのは、現実世界がコロナ禍で苦しんでいる今だからこそだと思いました。


https://youtu.be/3g_huc6WEbA?t=516

↑全4曲のうちの第3曲「メヌエット」


メインのベートーヴェンの第8番、ものすごく変わった演奏でした。
全然ドイツっぽくない、フランス風な演奏とでも言えばよいのか。
手をグルングルン振り回しながらの指揮で、メロディーの横の流れを重視してグイグイ躍るドラマチックな演奏。
ただ、ベートーヴェンについては正直このアプローチは好みではない…。もうちょっと音の縦のラインの構造を重視する演奏の方が好み。
とはいえ、ここまでぶっ飛んでいると逆に面白かったです。
ぜひ、舞踏がテーマで好きな曲であるベートーヴェンの交響曲第7番を振ってみてほしいです。他の人の指揮と聴き比べてみたい。


アクが強い指揮者とヴァイオリニストで面白い演奏会でした。
今年の名古屋フィルはおそらくこれで終わり。
2021年の演奏会が無事に開催されることを祈りながら楽しみにすることにします。

20201123 アルマゲドンの夢

新国立劇場で藤倉大さんの世界初演のオペラ『アルマゲドンの夢』を観てきました。現代オペラの生公演へ行くのは初でしたが、不安で満ちていて大きな声に煽動されやすくなっている今の社会に響く作品でした。歌と音楽にカタルシスは無いものの、不協和音でヒリヒリする緊張感が堪りませんでした。

↓オペラ概要はこちら

https://www.nntt.jac.go.jp/opera/armageddon/
アルマゲドンの夢[新制作 創作委嘱作品・世界初演]


新国立劇場へ来るのは10年半ぶりでした。前回はワーグナーの『神々の黄昏』。

藤倉大さんは(少なくともクラシック業界では)大注目されている作曲家。今年はDOMMUNEの湯山玲子さん爆クラ回で出演していたので見た人もいるのでは?
現代の作曲家の割にはクラシックコンサートで取り上げられることが多く、聴いた中で好きな曲は「ソラリス」、あの有名なSF小説を題材にした曲です。オペラ版が本家ですが日本未演なのでどこか取り上げてくれないかな…。
そんな藤倉さんがオペラ新作を日本初演、題材はウェルズの小説、そして何よりオペラを生で観たい!ということでチケットを買ってしまいました。

上演時間は1時間40分の一本勝負とオペラにしては短め。

内容はかなり社会派。主人公が日和見主義で気付いたら何もかも失ってしまい、その恋人ベラは自由を求める闘いに身を投じるが銃弾で命を落としてしまい、若者たちは煽動されて画一的な兵士になってしまう。
どういう解釈をすればよいのか悩むセリフも多く、観客を喜ばせてスッキリさせるのではなく考えさせる作品。演劇に近い印象でした。

演出で印象に残ったのが色。
ダンスホールでの若者たちは色とりどりの服を着ているのに、煽動されて兵士になるとみんな同じ白一色。舞台上に大きな鏡も出てきて姿が増幅されるのが不気味。
一方で自由のために闘うベラはずっと赤系の衣装。目立つ。ベラが死んだらモノクロの色褪せた世界になってしまうんですね…。


音楽面は不安を煽って解決に至らない不協和音だらけ。弦のヒリヒリする音や金管がぶつかり合う音などで登場人物の心理をダイレクトに表現していました。聴いてる方も疲れてきました。
それだけに協和音が出てきた場面が目立ちました。特に、主人公と恋人が不安を一瞬忘れて将来の愛を歌うシーンが印象的。曲想は違いますが、ミュージカル『ウエストサイドストーリー』の「Somewhere」のシーンを連想しました。その後に悲劇が待っているという共通点もあるし。

これまで観てきた"古典的な"オペラだけがオペラじゃないと体感できた公演でした。
もちろん楽しいオペラは大好きですが、たまにはこういう考えさせられる作品も観ていきたいです。

20201121 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 創立50周年特別演奏会

15年来聴いている神奈川フィル、50周年で曲目も面白いので聴いてきました。何と言ってもヴィヴァルディが楽しい曲。個性的な4人が全員ソリストという夢の光景。旋律の受け渡しだらけで目が離せない。ハイドンもキレイな曲だったし、チャイ5も聴け、神奈フィルの魅力である柔らかな弦を堪能できた演奏会でした。

●メンバーと曲目
指揮:川瀬賢太郎(常任指揮者)
オケ:神奈川フィルハーモニー管弦楽団

ヴァイオリン:石田泰尚(首席ソロ・コンサートマスター)
ヴァイオリン:﨑谷直人(ソロ・コンサートマスター)
ヴァイオリン:小宮直(第2ヴァイオリン首席奏者)
ヴァイオリン:直江智沙子(第2ヴァイオリン首席奏者)

コープランド:市民のためのファンファーレ
ハイドン:交響曲第50番ハ長調Hob.I-50
ヴィヴァルディ:4本のヴァイオリンのための協奏曲ロ短調 RV.580
チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調Op.64


神奈フィルは1年半振り。以前は定期会員にも入っていましたが就職して引っ越してからは年1回程度に。
この演奏会、元々は5月にマーラーの「千人の交響曲」でしたが、コロナ禍で延期からの曲目変更となってこの内容に。ただ、結果的にすごく神奈フィルらしさにあふれる魅力的なプログラムになったんじゃないかと思います。


コープランドの定番アゲアゲソングから開幕。

金管楽器が横一列に並んで高らかにファンファーレを鳴らす様は、50周年のお祝いという感じがします。

ハイドンの交響曲第50番は50周年のセレクトなんでしょうが隠れた良曲でした。また聴きたい曲としてブックマーク。
そもそも神奈フィルの柔らかなで繊細な弦の音ってハイドンにすごく合っていると思います。
首席による弦楽五重奏の場面もあって、石田さんと小宮さんが2番手席に座っていたのはそういう狙いだったのかと。


気分が盛り上がってきたところで本命のヴィヴァルディ。
神奈フィルの4者4様のヴァイオリン四天王がソリストとして揃い踏みとなるなんて滅多に無い機会。特に小宮さんがソリストとしてお立ちになるなんて! 皆様を間近で見るためにバルコニー席の最前列を取って、かぶりついておりました。
4人で旋律をスムーズに受け渡していく様がお見事、そしてチェロ首席の門脇さんがそれぞれに合わせて伴奏を付けていくという陰のMVP。
「4つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲」と呼ばれることもあるそうで、門脇さんもソリストとしてクレジットしても良かったんじゃないかな。
そして、この緊張感が伝わってくるのは生演奏だからこそだと思いました。



前半だけで十分来たかいがあるという満足感だったんですが、なぜか後半にチャイ5まで付いてくるという豪華っぷり。
「鬱々とした状態から明るい勝利へ」という曲だけに、コロナ禍の鬱憤も相まってか熱演に。管楽器もティンパニーも大活躍。

次の神奈川フィルは来年以降になると思いますが、2022年3月の「千人の交響曲」のリベンジ公演は実施してほしいものです。川瀬さんの常任ラスト公演ですし。

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名古屋フィルのNHK主催〈オーケストラでつなぐ希望のシンフォニー〉の公開収録(無料!)へ。
指揮者のカワケンさんこだわりのダンスプログラムがすごく好みに合致して、ノリノリで楽しいコンサートでした。

●メンバーと曲目
指揮:川瀬賢太郎
オケ:名古屋フィル
外山雄三:管弦楽のためのラプソディ―
マルケス:ダンソン第2番
ベートーヴェン:交響曲第7番
※アンコール
ベートーヴェン:交響曲第3番より第3楽章スケルツォ


全国各地のオーケストラがベートーヴェンの交響曲を演奏するという企画で、名古屋フィルが第7番の担当に。
来週11/22(日)のEテレ「クラシック音楽館」で放送とのこと。早い!
https://www.nhk.jp/p/ongakukan/ts/69WR9WJKM4/

3曲とも推し曲です。こういう曲が好きだから、クラブミュージックも意外と聴いてみたら好きになったんだなという気がします。

1曲目の「管弦楽のためのラプソディー」がまず好きな曲。
「あんたがたどこさ」「ソーラン節」「炭坑節」「串本節」「信濃追分」「八木節」と民謡のメロディーが次々に出てきます。
https://youtu.be/0V_C3NQIbN4

そして、まさか「ダンソン第2番」を生演奏で聴けるとは!
ドゥダメル&シモン・ボリバル・ユースオケのCDで知った曲ですが、哀愁漂うメロディーとノリノリのラテンリズムが魅力的で特に印象に残った曲です。
打楽器(+ピアノ)の音が刺さってくるのは生演奏だからこそ。

↓youtubeに動画ありました。10分未満の曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=gpsHUUHZb9w

メインのベト7ことベートーヴェンの交響曲第7番は第1楽章が『のだめカンタービレ』でおなじみですね。
↓この辺りからのメロディーが有名。
https://youtu.be/HyoWuSWT2tw?t=252

個人的に9曲あるベートーヴェンの交響曲の中で1番好きな曲です。他のジャンルを含めても2番手か3番手にはなります。
演奏者によって雰囲気が変わるので聴き比べが楽しい曲。
特に第2楽章が好きなので、今回はどう料理するかが楽しみでした。
第1楽章からアタッカで繋ぐのが珍しく、その空気を残しながら快走の第2楽章へという明るい演奏。
個人的には、第1楽章と対比的になる荘厳な演奏の方が好みですが、この演奏は演奏でカワケンさんらしさが出ていてアリだなと思いました。

syllable

Author:syllable
出身:横浜
在住:三重→兵庫→三重(現在)
クラシックを中心にジャズやJ-POPなどを聴いています。
神奈川フィルを応援してます!

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