2017 / 04
≪ 2017 / 03 - - - - - - 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 - - - - - - 2017 / 05 ≫

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

これまで読んでみようと思いつつ機を逃していました。
つい最近も、聖響さんの演奏会があったので、それに合わせて読んでおこうかなと思った本です。


金聖響・玉木正之著「ベートーヴェンの交響曲」

ベートーヴェンの交響曲




「重要なのは楽譜だけ。“音の事実”だけです。」




ベートーヴェンの9つの交響曲を、物語性・精神性ではなく楽譜の音に沿いながら解説していく本。

とはいっても、音符だらけで眠くなる本でも、ハンスリックのように音楽の“内容”や“形式”について哲学的に延々と語る本でもありません。

聖響さんの指揮者としての体験談も交えながら分かりやすく面白い文章で、ポンポンとページが進んでいきます。

そして、曲の解説の合間に「ピリオド奏法」や「アコーギク」など専門的な説明もあるんですが、流れに違和感なく挿入され、「へぇ~」、と読める。

この文章のバランスの良さは、間違いなく聖響さんの才能の1つでしょう。

読みながらCDを聴きたくなってきます。


ところで、「驚いて腰を浮かすようにして聴いていた人が多かった」聖響さんの“第九”ってどんなんなんだろう?
スポンサーサイト

音楽に限らず新書というのは持ち運びやすくしかも安価なので重宝してます。
不況だと新書が増えるらしいですが、種類が増えることは素直に歓迎しましょう。

ということで、第2弾。
かなり売れたらしいという、岡田暁生著「西洋音楽史」を。

西洋音楽史


私の音楽史の教科書的存在として活用させてもらっている本です。
“「事実」に「意味」を与えるのは、結局のところ「私」の主観以外ではありえない”
という著者の信念のもとで書かれているため、音楽史の「流れ」がよく分かります。
他の音楽本を読んでいて、「あれっ? これって何だっけ?」というものに出くわしたらこの本に戻ってきます。

特筆すべきは、ベートーヴェンやロマン派などのメジャーな時代と、ルネサンスや現代音楽などのマニアックな時代で、等しくページを割いていること。
前者については書きたいことがたくさんあるだろうに、よくこんなコンパクトにまとめられたなと思います。

面白いと思ったのは、音のハーモニーの変化。

中世は2つメロディーがあっても一緒に動いていたのが段々自由になっていき、
ルネサンスでは和音が重視されてくるようになり、
バロックでは通奏低音が旋律を支えているが、
古典派ではむしろ旋律の方が目立つようになる

…といった変遷が図で表され、しかもコンパクトな構成だからこそ変化が見えやすい。

また、マニアックな20世紀についても、なぜ「音楽史の発展の限界」となり、「西洋がそのヘゲモニー(支配権)を失っていった時代」であるかについても「ロマン派への決別

」と「再構築」をキーワードにまとめられています。


単独ではそれぞれ知っていることでも、「流れ」の中に位置づけるだけでやっとその本来の意味が分かってくる。
やたらもてはやされるロマン派だって音楽史ではあくまで一部分ですしね。
そんな事柄ばかりでした。

コンサートだけだと時期によっては間が空いてしまいます。
そういう時はCDレビューをしてるという方はけっこういらっしゃいますが、あいにくそんなに自宅にCDはありません。
何かないかと思ったら、そういえば本はけっこう読んでいる方じゃないかと。

ということで、続くか分かりませんが、ボチボチ音楽本の感想でも書いていこうかと思います。


第1弾は、小方厚「音律と音階の科学-ドレミ…はどのようにして生まれたか」ブルーバックス

音律と音階の科学


ドレミはどのように決められたのか?
ピタゴラスからスタートして現在の音階までの変遷・発展を追っていきます。

理論の細かい整合性は分かりませんが、図を多用して視覚的に音律の理解を助けようという意欲が感じられました。
理系の学者であるということが良い方向に働いた結果ですね。
音階についてこういう読みやすい本は中々ないように思います。

面白いのは、筆者が音楽の専門家ではないからこそ持てる切り口。
1オクターブ上がるごとに音の周波数は2倍になるわけですが、ピアノの鍵盤は周波数の対数をとった数直線に対応する、というのはナルホドと思いました。
「今日のような鍵盤は遅くとも15世紀にはできていたが、対数が普及したのは17世紀以降である。数学で対数という概念が確立する以前に、音楽ではこれを先取りして鍵盤に対数目盛りを導入し、演奏を容易にしていたのだ。」とのこと。

「不協和度が低い」ということを物理の「ポテンシャル(位置エネルギー)が低い」と表現するのも、少なくとも理系の人間にとっては分かりやすい。

著者の趣味であるジャズにも触れ、音階は固定されたものではなく、絶えず試行錯誤が繰り返されてきたものであるという例も色々と示してました。


音階についての入門書として、興味ある事項を探すのには良い本だと思います。

syllable

Author:syllable
出身:横浜
在住:三重→兵庫→三重(現在)
クラシックを中心にジャズやJ-POPなどを聴いています。
神奈川フィルを応援してます!

03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。