2017 / 09
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20170909 名古屋フィル第449回定期

●メンバーと曲目
指揮:井上道義
演奏:名古屋フィル

ヴィオラ:ウェンティン・カン

コンマス:田野倉雅秋


ストラヴィンスキー: 交響詩『夜鳴きうぐいすの歌』
ウォルトン: ヴィオラ協奏曲
ペルト: フラトレス (弦楽と打楽器)
ヒンデミット: ウェーバーの主題による交響的変容


当初予定していたブラビンズ氏は親族の病気で降板。今シーズンのプログラム発表から楽しみにしていたのに残念…。
急遽、代振りとなったのは井上道義さん、観てても面白くてけっこう聴きに行く指揮者なので不満は無し。
何がすごいって、このマニアックな曲目で藤倉大さんの新作以外はそのまま引き受け、見事に演奏会をやり遂げたということです。いやはや。
指揮もノリノリだったし、けっこう道義さんの好みの曲目だったのかな?

1曲目のストラヴィンスキーから、道義さんが踊る踊る!
短い断片が次々につながって場面が変わっていく。中国風のメロディーも混じったり。

個人的なハイライトはヴィオラ協奏曲。ウェティン・カンさんは曲の雰囲気にピッタリのブルーのドレスで登場。
第1楽章の切々と語るメロディーのヴィオラ独奏から良い感じ。
もう夏も終わって秋の入り口となる9月にピッタリ。
陽性のオケの音と対照的な陰性のヴィオラの音の深みが魅力的な曲でした。
たいていの楽器の協奏曲はソリストがキラキラ前面に出るものなのに、逆で面白い。

面白かったのはペルトのフラトレス。道義さんが加えたセンス良い1曲。
一聴すると、教会音楽のような瞑想的でポリフォニックなメロディーが弦楽器で演奏されるというキレイな曲。
でも、癒しは無くどこか落ち着かない。(※不協和音が使われているらしい)
しかも、合間合間でどこか遠くにいるクラベスとバスドラが合間合間で不穏な中断を繰り返す。
夢と現実の対比、平和な日常が崩壊する予兆の不穏さ、を感じる曲でした。


全て20世紀作品というマニアックさでしたが面白い作品ばかり。いいね!
予想通り空席が目立ちましたが、定期演奏会たるもの名曲全集ばかりではなく、時々はこういう意欲的なプログラムも見識を広げるために入れてほしいものです。
来年度のシーズンプログラム発表は10月らしいので、楽しみにしていましょう。
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●メンバーと曲目
指揮:川瀬賢太郎
演奏:名古屋フィル

ヴァイオリン:ノア・ベンディックス=バルグリー

コンマス:後藤龍伸


吉松隆:鳥は静かに…
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
ショスタコーヴィチ:交響曲第12番『1917年』


1曲目は吉松隆さんの「鳥は静かに…」
知らない曲でしたが、清涼とした良曲でした! こういう曲との出会いが面白い。
弦楽で断片的なフレーズがどんどん重なっていく不思議な浮遊感がある曲。
初夏の涼しい高原で昼寝していたら、そよそよと吹いていた風がだんだん強くなってきて、心もざわめいてくるけど、ふと過去の思い出を回想して、また眠りに落ちていく、ような。
弦楽の風がフッと途切れて、コンマスや首席だけのソロが始まる場面が印象に残っています。
ロシア革命の『1917年』がメインの演奏会だったので、「夏草や兵どもが夢の跡」を連想してしまったのでした。
演奏会後に聴き直すのもまた一興。

(Youtubeより)





2曲目はヴァイオリン協奏曲。ベルリンフィルのコンマスであるノア・ベンディックス=バルグリーさん登場。
ちなみにカワケン兄さんとは同い年らしいです。
アンコールのバッハが良かった。無伴奏パルティータ3番のガヴォットとロンド。
協奏曲の方は、クールなヴァイオリンと熱いオケの対照的な演奏。
ただ。個人的には、チャイコフスキーよりはブラームスの協奏曲の方で演奏を聴きたかったかな。


ラストはいよいよメインの『1917年』
観客側が吹き飛ばされそうな勢いのかっこいいショスタコでした!
バランスはとりつつ、オケも思う存分弾いていたよう。
コンマスの後藤さんがあんなに体を動かして熱演しているのを見たのは初めてかも。ショスタコ好きそう。

カワケン兄さんの若さあふれる「ガンガンいこうぜ!」の想いがしっかりオケに伝わり、それが結実していたからこその名演だったと思います!
第1楽章の金管を始めとする咆哮、第2楽章の木管の大活躍、第4楽章の高らかなフィナーレ、と一気に駆け抜けた40分でした。
こういう演奏を聴くと、18~19世紀のクラシック音楽ばかり聴いているのはもったいないと思ってしまいます。
そして、このコンビのショスタコは今後も追いかけないといけませんね!


さて、次の名古屋フィルは9/9(土)のブラビンズさんの予定。
20世紀音楽ズラリ+初演作というこれまた楽しみなプログラム。
そして、芸文コンサートホールが8月から工事に入ってしまうので、しばらくこのホールとはお別れです。

20170225 名古屋フィル第443回定期「川瀬×グリーン・エコー」

●メンバーと曲目
指揮:川瀬賢太郎
演奏:名古屋フィル

フルート:上野星矢
メゾ・ソプラノ:福原寿美枝
合唱:グリーン・エコー

コンマス:田野倉雅秋


ショスタコーヴィチ:交響詩『十月革命』
ハチャトゥリアン:フルート協奏曲(ヴァイオリン協奏曲の編曲)
プロコフィエフ:カンタータ『アレクサンドル・ネフスキー』


カワケン兄さんの意欲的なプログラム。
なぜこの曲目で完売なんだ!? という、メジャーとは思えないソ連時代の曲が並びます。
私はすべて初聴。
おそらくフルート協奏曲が人気曲なのでしょう。

私が来た理由は、カワケンさんのこの選曲がとんがっていること。
そして、5年弱前に名古屋フィルで聴いたカワケンさん&上野さんの「ハーメルン」がエキサイティングだったので、このコンビをまた聴きたかったことなのです。


1曲目はショスタコの『十月革命』
冒頭こそ不安な雰囲気ですが、どんどん熱くなっていき、フィナーレへ突っ走る情熱的でソ連っぽい真っ赤っ赤な曲。
トランペットとフルートが高らかに吹き鳴らし、弦が吹き荒れ、ティンパニーが咆哮する。
1曲目から全力全開で、まだあと2曲あるけど体力大丈夫?と心配してしまうぐらいの勢いでした。


2曲目は、上野さん登場でフルート協奏曲。
第1楽章と第3楽章は超絶技巧の嵐!
冒頭からリズミックなパッセージで駆け出します。
フルートからとめどなく音がポンポン飛んできて、聴いているこちらが息が苦しくなってきました。
上野さん自身が思う存分吹いて、カワケンさんがオケを導くという息ピッタリのコンビネーション。
やはりこのコンビは面白い!

一転、第2楽章は、草原の中の宿営地で夜まどろんでいるようなムーディーで民族調なメロディー。ドラクエで出てきそう。
この楽章は、原曲のヴァイオリンよりも、息遣いが聴こえるフルートの方が合っている気がします。
その分ごまかしがきかないので、実は派手な第1,3楽章より難しいんじゃないかと思います。
上野さんは終始情感豊かに表現していて隙が無くさすがの演奏でした。

アンコールはアイルランドの「ロンドンデリーの歌」、ご本人の編曲だそうです。


3曲目は、いよいよ『アレクサンドル・ネフスキー』
予習ではこんなに大迫力な曲だとは思わなかった!
100人超の合唱団が力強い歌声でホールを震わせる迫力といったらもう!
一番盛り上がる「氷上の激戦」では、色んなメロディーが錯綜するも、全体は破綻せず、それぞれの楽器が何をやっているのかも聴こえてきて、カワケンさんのバランス感覚がすごい。
感情が高まってきた場面で、時折見せるジャンプは、師匠の広上さん直伝か?

映画音楽として作曲されただけに、戦闘開始⇒激戦⇒終結みたいな感じでめまぐるしく場面が変わり、どんな映像が付いていたのか想像しながら聴くのも楽しかったです。

そして、戦いの後は福原寿美枝さんは「死せる野」で切々として心をつかむ歌声で魅せてくれました。

ショスタコーヴィチ、ハチャトゥリアン、プロコフィエフと三者三様のソ連プログラムで、まだまだクラシック音楽は広いと感じたコンサートでした。
カワケンさんと上野さんのコンビはまた聴いてみたいです。
ソ連の映画音楽も追ってみたくなりました。

次の名フィル定期へのカワケンさん登場は6月。
メインはショスタコ12番で今から楽しみ。これも十月革命がテーマ。
今日もらった公演チラシはしっかり保管しておきます。

20161022 名古屋フィル第439回定期

●メンバーと曲目
指揮:アントニ・ヴィット
ピアノ:ミハイル・プレトニョフ

藤倉大:レア・グラヴィティ
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
シベリウス:交響曲第1番


前半はプレトニョフのラフマニノフ2番。
淡々とサラッと静かに難曲を弾き、そしてどこかヘンな演奏でした。
冒頭の鐘からこんな曲だったかな?と。
この曲に付与されるドラマチック性が欠如していた、というのは言い過ぎでしょうか。
先入観なく楽譜と向き合っているのでしょう。
ピアノもカワイ・シゲルという馴染みが無い種類で、何か音が違ったのでしょう。良く分かりませんでしたが…。
ヴィットさんとオケのピアノへの食らいつきもお見事!

そして、アンコールのラフマニノフ「鐘」が圧倒的な演奏でした!
ホール内の空気を完全に支配していました。
これだけでも聴きに来たかいがありました。

後半はシベリウスの1番。
清々しく広がる弦のサウンドを堪能!
ヴィットさんは品良くオケをまとめ上げていました。
暗譜だったので十八番なのでしょう。

管楽器も活躍。
特にクラリネットのボルショフさんとホルンの安土さんが印象に残りました。

20160521名古屋フィル第435回定期「ソヴィエト連邦の遺産」

●メンバーと曲目
指揮:ドミトリー・リス
演奏:名古屋フィル

ヴィオラ:アンドレア・ブルガー

ゲストコンマス:荒井英治


ショスタコーヴィチ:バレエ『黄金時代』組曲より「序奏」「ポルカ」「踊り」
シュニトケ:ヴィオラ協奏曲
ショスタコーヴィチ:交響曲第6番


前半の注目はシュニトケのヴィオラ協奏曲。
休みなく人生を駆け抜けた後、死の間際でさびしく振り返ってこと切れるという、鬱の時に聴いてはいけなさそうな曲。
決して派手な曲ではなかったですが、寝る暇が無かった!(落ちている人も多数いましたが…)
とにかく独奏ヴィオラが難しそうで、その緊張感が聴いている側にも伝わってきたからです。
ヴァイオリンと同じフレーズを弾くだけでも一苦労らしいのに、この曲は弦を弾いたり、音が上下に飛んだりととにかく難しそう。
しかも、最後までさまよいながら結局息絶えるというのが見せ場なので、勢いでごまかすこともできない。
こんな難曲を見事に弾ききったブルガーさんにブラボーです!!
[※フライング拍手が無ければ最高でした]

オケも面白くて、弦の半分弱を占めるヴァイオリンが全員いない!
そして、空いたスペースには、チェンバロとピアノとチェレスタとハープが鎮座。
舞台転換でスタッフさんが8人ぐらいわらわら出てきてました。
異様な舞台光景でしたが、独奏ヴィオラの音を邪魔させない狙いのようです。
また、ピアノやチェレスタ等を使うのはシュニトケの十八番らしいですが、音が重なって幻想的になるのも初めて聴くパターンで面白かったです。


後半はショスタコーヴィチの交響曲6番。
リスさんの感情豊かな指揮と、荒井さんの全身からほとばしる熱意がオケをグイグイ引っ張って名演を作り上げていました。
第1楽章は、弦が冷え冷えキレキレな仕上がり。
その中に立ち昇る富久田さんのフルートソロがブラボーでした!

第2楽章、第3楽章は一転してあっけらかんと明るくなりイケイケギャロップへ。
分かっていても、実演奏を聴くとあまりの落差にポカーン。
勢いが止まることなく一気にフィナーレまで駆け抜けていきました。


名古屋フィルのショスタコが良いことが分かった演奏会でした。
古典派やロマン派も否定しませんが、20世紀音楽はやはり面白い!
さあ6月も名フィルでショスタコーヴィチです!
カワケン兄さんの縁で、私がずっと応援している神奈川フィルとのジョイントコンサート。
月曜日なのがネックですが、無理してでも行きます!

syllable

Author:syllable
出身:横浜
在住:三重→兵庫→三重(現在)
クラシックを中心にジャズやJ-POPなどを聴いています。
神奈川フィルを応援してます!

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