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20180414 サラマンカ大学創立800周年記念コンサート「魅惑のスペイン」

盛りだくさんのプログラムですっかりスペイン音楽に"魅惑"された演奏会でした。

ホールの名前にもなっている"サラマンカ"はスペインの都市。
何でも、現地の古いパイプオルガンを岐阜県に工房を構える辻宏さんが修復し、県もそれをバックアップしたことから縁が始まったそうです。
今回は、サラマンカ大学の800周年(!)の記念コンサートだそうです。

●メンバーと曲目
指揮:ロベルト・フォレス・ヴェセス
演奏:名古屋フィル

ギター:カニサレス(★)

能舞:辰巳満次郎(☆)
パイプオルガン:鈴木優人(☆)

ブラームス:大学祝典序曲
アルベニス:スペイン組曲より「グラナダ」(管弦楽版)
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲(★)
(アンコール)カニサレス:深淵(ブレリアス)

※創作能舞:サラマンカ SALAMANCA(☆)
 カバニエス:第二旋法によるティエント
 メシアン:「キリストの昇天」より第2曲、第3曲
 J.S.バッハ:ヨハネ受難曲より第2部第40曲「ああ、主よ、あなたの愛らしい天使を」

グラナドス:歌劇「ゴイェスカス」間奏曲
ファリャ:バレエ音楽「三角帽子」第1組曲、第2組曲
(アンコール)アルベニス:スペイン組曲より「セビーリャ」


クラシックコンサートでは珍しいスペイン尽くしのプログラム!
しかも、途中で能&パイプオルガンも追加されて盛りだくさんに。

前半は何と言ってもカニサレスさんのアランフェス協奏曲。
比較的メジャーな曲ですが、こんなに濃厚なアランフェスを聴いたのは初めて!!!
よくあるキレイな演奏というよりは、スペインの"土臭さ"がある演奏という印象でした。
フラメンコギタリストらしく情熱と哀愁の表現がすごい!
特に、第2楽章の哀愁漂うメロディーでは醸し出される色気がムンムンで聴き惚れてしまいました。
一度こんな演奏を聴いてしまったら、今後他の奏者の演奏を聴く時には淡白で物足りないと思ってしまいそうです。
アンコールの超絶演奏もすごかったです。
拍手喝采の盛り上がりがフラメンコのライブ会場状態でした!


後半はまず創作能舞。
コンサートホールで、パイプオルガンの演奏で、面を付けた能楽師が謡い舞うというシュールな光景が展開。
さながらコンテンポラリーダンスのようなステージでした。
最初、暗闇の中で能楽師の方の床を足で叩く音が、ドスンドスンという能楽堂とは全然違う響きだったので何事か起きたのかとビックリ。
両者に共通する「祈り」をキーワードにし、短いながらも、正体不明の人物→正体表す→舞う→成仏(?)という能楽の基本構成は押さえている展開でした。
意欲的で面白い企画でした!
スペインから来ていた方々がどういう印象を持たれたのか感想を聞いてみたいところです。

ラストの「三角帽子」はロベルト・フォレス・ヴェセスさんのノリノリっぷりが全開!
思わず身体を動かしたくなるリズムをオケから引き出せるのもスペイン人だからこそでしょう。
特に終幕の踊りの「ホタ」はまさに情熱のスペインといった感じで、高らかにオケが歌い上げていました。

すっかりスペイン音楽に"魅惑"された演奏会でした。
フラメンコ&ギターもいつか鑑賞してみたいです。


終演後はアトリウムがスペインバル風屋台に!
気になったのでチケット買って突入!
ギターカルテットの演奏を聴きながら、スパーリングワイン、赤ワイン、おいしいハム、パエリアetc…を夢中で堪能。(写真撮り忘れていました…)
気持ちよくホールを後にすることができました(^^)
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20180317 名古屋フィル第455回定期「悲愴」

●メンバーと曲目
指揮:小泉和裕
チェロ:エンリコ・ディンド
コンマス:荒井英治

ベートーヴェン/劇音楽「エグモント」序曲
チャイコフスキー/ロココ風の主題による変奏曲
チャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」


半年振りの名古屋フィルでした。
会場が愛知芸劇ではなく市民会館になっているため足が遠のいていましたが、ご厚意でチケットを頂いたので喜んで金山まで行ってきました。

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ロビーコンサートは弦楽四重奏。
チャイコフスキーが25歳で作曲したという初期の曲。
メインの「悲愴」が、初演後すぐに作曲者が亡くなった晩年の曲なので、対比的な曲を選んだとのことです。

前半はチェロ登場でロココ風。
この曲が予想外の今日のハイライトでした!
ソリストのエンリコ・ディンドさんはすごく表情豊かな方。
演奏はもちろん顔も(笑) 観てて非常に分かりやすい。
そのまま立ち上がって歌い始めそうな魅力的な演奏でした。ファンがどんどん増えそう。
イタリアのトリノ出身ということで、陽気な出身地がキャラクターにも出ている気がしました。
アンコールはバッハ無伴奏のサラバンド、これも時おり笑顔で弾いていました(^^)

後半はメインの悲愴交響曲。
小泉さんの指揮らしく、王道で腰が据わった演奏でした。
曲のイメージを全く裏切らない安定感はさすがです。
ドラマティックになりがちな曲なのを抑えて、曲自体の魅力を出そうとする姿勢が逆に新鮮かも。

17年度シーズンはこれにて終了。
18年度は「文豪クラシック」ということで、読書も好きな私としては楽しみなプログラムが並んでいます。
https://www.nagoya-phil.or.jp/concerts_regular?ccat=0
とりあえずゲーテの『ファウスト』でも読みますかね。

20170909 名古屋フィル第449回定期

●メンバーと曲目
指揮:井上道義
演奏:名古屋フィル

ヴィオラ:ウェンティン・カン

コンマス:田野倉雅秋


ストラヴィンスキー: 交響詩『夜鳴きうぐいすの歌』
ウォルトン: ヴィオラ協奏曲
ペルト: フラトレス (弦楽と打楽器)
ヒンデミット: ウェーバーの主題による交響的変容


当初予定していたブラビンズ氏は親族の病気で降板。今シーズンのプログラム発表から楽しみにしていたのに残念…。
急遽、代振りとなったのは井上道義さん、観てても面白くてけっこう聴きに行く指揮者なので不満は無し。
何がすごいって、このマニアックな曲目で藤倉大さんの新作以外はそのまま引き受け、見事に演奏会をやり遂げたということです。いやはや。
指揮もノリノリだったし、けっこう道義さんの好みの曲目だったのかな?

1曲目のストラヴィンスキーから、道義さんが踊る踊る!
短い断片が次々につながって場面が変わっていく。中国風のメロディーも混じったり。

個人的なハイライトはヴィオラ協奏曲。ウェティン・カンさんは曲の雰囲気にピッタリのブルーのドレスで登場。
第1楽章の切々と語るメロディーのヴィオラ独奏から良い感じ。
もう夏も終わって秋の入り口となる9月にピッタリ。
陽性のオケの音と対照的な陰性のヴィオラの音の深みが魅力的な曲でした。
たいていの楽器の協奏曲はソリストがキラキラ前面に出るものなのに、逆で面白い。

面白かったのはペルトのフラトレス。道義さんが加えたセンス良い1曲。
一聴すると、教会音楽のような瞑想的でポリフォニックなメロディーが弦楽器で演奏されるというキレイな曲。
でも、癒しは無くどこか落ち着かない。(※不協和音が使われているらしい)
しかも、合間合間でどこか遠くにいるクラベスとバスドラが合間合間で不穏な中断を繰り返す。
夢と現実の対比、平和な日常が崩壊する予兆の不穏さ、を感じる曲でした。


全て20世紀作品というマニアックさでしたが面白い作品ばかり。いいね!
予想通り空席が目立ちましたが、定期演奏会たるもの名曲全集ばかりではなく、時々はこういう意欲的なプログラムも見識を広げるために入れてほしいものです。
来年度のシーズンプログラム発表は10月らしいので、楽しみにしていましょう。

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●メンバーと曲目
指揮:川瀬賢太郎
演奏:名古屋フィル

ヴァイオリン:ノア・ベンディックス=バルグリー

コンマス:後藤龍伸


吉松隆:鳥は静かに…
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
ショスタコーヴィチ:交響曲第12番『1917年』


1曲目は吉松隆さんの「鳥は静かに…」
知らない曲でしたが、清涼とした良曲でした! こういう曲との出会いが面白い。
弦楽で断片的なフレーズがどんどん重なっていく不思議な浮遊感がある曲。
初夏の涼しい高原で昼寝していたら、そよそよと吹いていた風がだんだん強くなってきて、心もざわめいてくるけど、ふと過去の思い出を回想して、また眠りに落ちていく、ような。
弦楽の風がフッと途切れて、コンマスや首席だけのソロが始まる場面が印象に残っています。
ロシア革命の『1917年』がメインの演奏会だったので、「夏草や兵どもが夢の跡」を連想してしまったのでした。
演奏会後に聴き直すのもまた一興。

(Youtubeより)





2曲目はヴァイオリン協奏曲。ベルリンフィルのコンマスであるノア・ベンディックス=バルグリーさん登場。
ちなみにカワケン兄さんとは同い年らしいです。
アンコールのバッハが良かった。無伴奏パルティータ3番のガヴォットとロンド。
協奏曲の方は、クールなヴァイオリンと熱いオケの対照的な演奏。
ただ。個人的には、チャイコフスキーよりはブラームスの協奏曲の方で演奏を聴きたかったかな。


ラストはいよいよメインの『1917年』
観客側が吹き飛ばされそうな勢いのかっこいいショスタコでした!
バランスはとりつつ、オケも思う存分弾いていたよう。
コンマスの後藤さんがあんなに体を動かして熱演しているのを見たのは初めてかも。ショスタコ好きそう。

カワケン兄さんの若さあふれる「ガンガンいこうぜ!」の想いがしっかりオケに伝わり、それが結実していたからこその名演だったと思います!
第1楽章の金管を始めとする咆哮、第2楽章の木管の大活躍、第4楽章の高らかなフィナーレ、と一気に駆け抜けた40分でした。
こういう演奏を聴くと、18~19世紀のクラシック音楽ばかり聴いているのはもったいないと思ってしまいます。
そして、このコンビのショスタコは今後も追いかけないといけませんね!


さて、次の名古屋フィルは9/9(土)のブラビンズさんの予定。
20世紀音楽ズラリ+初演作というこれまた楽しみなプログラム。
そして、芸文コンサートホールが8月から工事に入ってしまうので、しばらくこのホールとはお別れです。

20170225 名古屋フィル第443回定期「川瀬×グリーン・エコー」

●メンバーと曲目
指揮:川瀬賢太郎
演奏:名古屋フィル

フルート:上野星矢
メゾ・ソプラノ:福原寿美枝
合唱:グリーン・エコー

コンマス:田野倉雅秋


ショスタコーヴィチ:交響詩『十月革命』
ハチャトゥリアン:フルート協奏曲(ヴァイオリン協奏曲の編曲)
プロコフィエフ:カンタータ『アレクサンドル・ネフスキー』


カワケン兄さんの意欲的なプログラム。
なぜこの曲目で完売なんだ!? という、メジャーとは思えないソ連時代の曲が並びます。
私はすべて初聴。
おそらくフルート協奏曲が人気曲なのでしょう。

私が来た理由は、カワケンさんのこの選曲がとんがっていること。
そして、5年弱前に名古屋フィルで聴いたカワケンさん&上野さんの「ハーメルン」がエキサイティングだったので、このコンビをまた聴きたかったことなのです。


1曲目はショスタコの『十月革命』
冒頭こそ不安な雰囲気ですが、どんどん熱くなっていき、フィナーレへ突っ走る情熱的でソ連っぽい真っ赤っ赤な曲。
トランペットとフルートが高らかに吹き鳴らし、弦が吹き荒れ、ティンパニーが咆哮する。
1曲目から全力全開で、まだあと2曲あるけど体力大丈夫?と心配してしまうぐらいの勢いでした。


2曲目は、上野さん登場でフルート協奏曲。
第1楽章と第3楽章は超絶技巧の嵐!
冒頭からリズミックなパッセージで駆け出します。
フルートからとめどなく音がポンポン飛んできて、聴いているこちらが息が苦しくなってきました。
上野さん自身が思う存分吹いて、カワケンさんがオケを導くという息ピッタリのコンビネーション。
やはりこのコンビは面白い!

一転、第2楽章は、草原の中の宿営地で夜まどろんでいるようなムーディーで民族調なメロディー。ドラクエで出てきそう。
この楽章は、原曲のヴァイオリンよりも、息遣いが聴こえるフルートの方が合っている気がします。
その分ごまかしがきかないので、実は派手な第1,3楽章より難しいんじゃないかと思います。
上野さんは終始情感豊かに表現していて隙が無くさすがの演奏でした。

アンコールはアイルランドの「ロンドンデリーの歌」、ご本人の編曲だそうです。


3曲目は、いよいよ『アレクサンドル・ネフスキー』
予習ではこんなに大迫力な曲だとは思わなかった!
100人超の合唱団が力強い歌声でホールを震わせる迫力といったらもう!
一番盛り上がる「氷上の激戦」では、色んなメロディーが錯綜するも、全体は破綻せず、それぞれの楽器が何をやっているのかも聴こえてきて、カワケンさんのバランス感覚がすごい。
感情が高まってきた場面で、時折見せるジャンプは、師匠の広上さん直伝か?

映画音楽として作曲されただけに、戦闘開始⇒激戦⇒終結みたいな感じでめまぐるしく場面が変わり、どんな映像が付いていたのか想像しながら聴くのも楽しかったです。

そして、戦いの後は福原寿美枝さんは「死せる野」で切々として心をつかむ歌声で魅せてくれました。

ショスタコーヴィチ、ハチャトゥリアン、プロコフィエフと三者三様のソ連プログラムで、まだまだクラシック音楽は広いと感じたコンサートでした。
カワケンさんと上野さんのコンビはまた聴いてみたいです。
ソ連の映画音楽も追ってみたくなりました。

次の名フィル定期へのカワケンさん登場は6月。
メインはショスタコ12番で今から楽しみ。これも十月革命がテーマ。
今日もらった公演チラシはしっかり保管しておきます。

syllable

Author:syllable
出身:横浜
在住:三重→兵庫→三重(現在)
クラシックを中心にジャズやJ-POPなどを聴いています。
神奈川フィルを応援してます!

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