2010 / 02
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1月に先立って行われた白石先生のレクチャーにも行き、期待していた演奏会です。

ホールに入場すると、ロビーが山形物産展の会場になってました(笑) 
ここでコロッケとこんにゃくを販売しておばさんが群がっているなんていう光景は、滅多に見ることができないでしょう。
山形のパワーを感じました。

Just Composed


●メンバーと曲目
指揮:飯森範親
演奏:神奈川フィル&山形交響楽団 スペシャルオーケストラ

コンマス:犬伏亜里[山響](前半)、石田泰尚[神奈フィル](後半)


プロコフィエフ/交響曲第1番「古典」
武智由香/Loin, bien loin(遠く、はるか遠くへ)
江原大介/異界 Different boundary for Orchestra
ストラヴィンスキー/バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)

・アンコール
ハチャトゥリアン/組曲仮面舞踏会より「ギャロップ」



1/24のレクチャーでお話がありましたが、今回の曲は全て「作曲家が20代後半で書いた曲」という裏テーマがあるそうです。
飯森さんの面白い趣向で、「火の鳥」が1919年版なのもそういう意味なんですね。

座席は、学生券でもS席OKというかなり太っ腹な演奏会。1Fのかなり良いところで聴くことができました。
どのくらい良い席かというと、武智由香さんと江原大介さんがすぐ間近に座って演奏を聴いていたぐらいです。
絶対演奏中に寝てはいけない!
という位置でしたが、全く退屈せず楽しめて、杞憂に終わりました。


オーケストラは神奈川フィル&山形交響楽団の混成、両者とも予想以上のメンバーが揃っていました。
山響からはトップ2奏者である(と勝手に思っている)コンマスの犬伏さんと今回大活躍だったフルート首席の足達さんをはじめ、チューバ首席の松下さんなど手練がお揃い。
対する我らが神奈フィルも、弦5部の首席に加え、クラリネット首席の斉藤さん、トロンボーン首席の倉田さん、オーボエ首席の鈴木さんなど。こちらもかなり力が入っています。
これは始まる前から期待ができるってもんです。


まずはプロコフィエフ、20世紀音楽とは思えない古典的な匂いのする曲でした。
ハイドンを手本にしたとのことですが、どこか違う気がするのはなぜでしょう?
まあ、基本的には聴きやすい曲でした。


武智さんの曲に先立ち、本人を交えプレトーク。
ハープ・チェレスタ・ピアノのキラキラした音が好きであり、それを活かすためにこれらを指揮者の周りに配置したとのこと。
1人1人の奏者が織物の糸のように音を重ねていくことで、さまざまな音を紡いでいくというイメージだとか。

ひたすら響きを追求していた曲に感じました。
透明な響きではあるが、快適かというと不協和音もあり繊細で緊張感がある曲。
どこか崩れたら一気に全体が崩壊してしまいそうですが、そこは両オーケストラの精鋭たちの演奏で、滞りなく進んでいたように思います。特にクラリネットが大活躍!
バルコニーの金管バンダの音も加わり、ホール全体をフル活用して、観客は音の海をユラユラ漂うするばかりでした。


休憩を挟み、江原さんの曲へ。
大幅なオケの配置変えがあり、オーケストラのほぼ全てのパートが2分され、ほとんど左右対称形に。
オケは混成のままでしたが、首席は左が神奈フィル、右が山響のメンバーでした。
プレトークの話によると、現実と夢想のような、1つの世界およびそのパラレルワールドを表したとのこと。

左右のオケが時間差でこだまのようにメロディーを奏で、ステレオ効果がワンワン利いて物凄い。
配置の威力を体感しました。1Fの席で良かったです。

前半が両者がズレていたのが、後半では全体が1つに。
金管の人たちが「C」とか何とかアルファベットを叫んでいましたが、よく聞き取れませんでした。
プログラムにも「ある言葉」としか書いておらず、意味がある言葉なのか、もしくは意味はない言葉なのだったのでしょうか。
深読みしたくなります。

オケの配置転換の間に、企画をした池辺晋一郎館長と白石美雪先生の登場。
現代音楽と言えば、我々の頃は前衛的な音楽ばかりであったが、最近は分かりやすい音楽(長三和音の導入など)の作曲でも厭わない風潮がある、ようなことを案外マジメに話していました。

ラストは「火の鳥」、飯森さんが指揮者コンクールで振った思い出の曲だそうです。暗譜でした。
今までの演奏を聞いて、この曲の成功は約束されているようなもの。
飯森さんは現代音楽をたくさん振ってきたとのことで、昨年の中川俊郎さん個展演奏会やヤナーチェクのオペラで奮闘していたのも記憶に新しいところ。
山響のモーツァルトも良いですが、20世紀音楽もガンガン振ってもらいたいものです。

アンコールはハチャトゥリアン/仮面舞踏会よりギャロップ、軽快な曲でした。
フルートとクラリネットがここでも大活躍。今日のオケMVPはこのお二人で間違いないでしょう。


現代音楽の最先端に触れられる面白い演奏会でした。
来年も続けてほしいものです。
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ワーグナーを語るならオペラ(楽劇)を観ないとダメですね!

熱狂的な愛好家が多い作曲家でありながらも、聴いたことがあるのはマイスタージンガー前奏曲やトリスタン序曲ぐらい。
そして話題の“トーキョーリング”、ここで聴かないと次のチャンスはいつか分からない。
「ラインの黄金」「ワルキューレ」は予定が合わず見逃してしまったので、「ジークフリート」こそはと意気込んでいました。

学生の特権を利用して前日ぴあに並んでZ席をゲット!
4Fの端でしたが舞台も十分見え、1500円という値段を遥かに超えるパフォーマンス。5時間の公演をしっかり堪能してきました!

ほぼチケットが売り切れていたらしく、会場には人がゾロゾロ。後から調べたらブログの記事もうじゃうじゃ。
今シーズンの目玉シリーズなだけはあります。



●メンバー
指揮:ダン・エッティンガー
演出:キース・ウォーナー

管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

●歌い手
ジークフリート:クリスティアン・フランツ
ミーメ:ヴォルフガング・シュミット
さすらい人:ユッカ・ラジライネン
アルベリヒ:ユルゲン・リン
ファフナー:妻屋秀和
エルダ:シモーネ・シュレーダー
ブリュンヒルデ:イレーネ・テオリン
森の小鳥:安井陽子

ジークフリート第1幕
(公演チラシ、第1幕の舞台)

・第1幕
「森の中の洞窟」のシーン
…のはずなんですが、舞台に登場したのはどう見てもポップで可愛らしい家。なんじゃこれは?
折れた伝説の剣をジークフリートが荒業で直すというシーンもだいぶふるっていて、砕いた剣をミックスジューサーで混ぜて、電子レンジで焼いて、フリーザーで固めるとかよく思いついたものです(笑)
現代演劇みたいで、全ての物に演出家の隠された意味がありそうですが、残念ながら4Fからは細かいとこが見えない…。


さて、そんなぶっ飛んでる演出ですが、歌手はワーグナー歌いを集めたとのことで腕前は確か。
第1幕は、ジークフリート、ミーメ、さすらい人の3人だけで85分を持たせるというハードな幕。
舞台のあちらこちらを動きながらなのに、しっかり歌いきっていました。

(50分休憩→近所のマックへ、同じことを考えている人多し)

ジークフリート第2幕
(第2幕の舞台)

・第2幕
「森の奥」のシーン、木の代わりに緑の矢印が生えてました。面白い。
うさぎやりすの着ぐるみがうろうろしてる姿がシュール。そして、小鳥役がワイヤーで本当に空を飛んできました。

ほとんどジークフリートの1人舞台の印象。
小鳥の歌は短かったですが、清らかな声を聴いて、ここまで歌手がおっさんばかりだったことに改めて気づかされました。


(45分休憩→コンビニのパンで夕食、同じことを考えている人多し)

ジークフリート第3幕
(第3幕の舞台)

・第3幕
「岩山」のシーン

「ジークフリート」一番の見せ場だというジークフリートとブリュンヒルデの長大な二重唱。ワーグナーの真骨頂でしょう。
本当に長大で、30分以上あったんじゃないでしょうか? 
聴くのに疲れていたのも手伝い、眠りに落ちてしまいました…。あまりに長いので起きてもシーンが変わっていませんでした(笑)


終演後はバックステージツアーなるものが当たったので、舞台裏とかを見学してきました。
4面式のステージということで、広い! サッカーぐらいは楽々できそうです。
セットも間近で見ることができて、フライドポテトの箱にMではなくてA(アルベルト)と書いてあったり、映画のフィルムは本物を使っていたり、遠くからでは分からない物を見ることができました。
小道具がオーケストラピットに入らないかとヒヤヒヤしているなどの舞台側のお話も伺えました。

そんなこんなで劇場を後にしたのが10時前、計8時間ほどここにいたことになります。もちろん真っ暗。
聴いててここまで疲れたのは初めてです。さすがワーグナー。
長くて「どこが良かった」と指摘しにくいのですが、体感するだけでも意味はあったと思います。
とりあえずジークフリート牧歌を聴いて復習しますか。

冷たい雨が降る日でした。こういう時、みなとみらいホールは便利です。
ただ、マニアックな曲目であることも影響してか、客席の入りは7割ぐらいだったような。
最近、指揮者人気で満員になってたことを考えれば、今回演奏会にいらっしゃった方々こそが神奈川フィルコアなファンなのでしょう。

ゲスト指揮者として聖響さんの友人である下野竜也さんの登場。
演奏だけではなくプログラミングにも定評がある下野さんですが、今回のテーマは実は「フランス」とのこと。
フランス人というわけではなく、パリで研鑽を積んだ人で揃えてみたということだそうです。

神奈川フィル定期260回


●メンバーと曲目
指揮:下野竜也
演奏:神奈川フィルハーモニー

ピアノ:田村響
コンマス:石田泰尚


ラロ/歌劇「イスの王様」序曲
ショパン/ピアノ協奏曲第1番
矢代秋雄/交響曲


最初はラロ、スペイン交響曲ぐらいしか知らない作曲家です。
山本さんのチェロの独奏がさすがです!
記事を書いてませんでしたが、先週の諸田由里子さんとのカジュアルコンサートでも素晴らしい演奏を聴かせていただきました。

ショパンのピアノ協奏曲1番は、ピアニストが1度は弾いてみたい曲として有名とのこと。
ピアノの見せ場ばかりなのはさすがショパン。ですが、オケの伴奏は完全に脇役で、しかもかなり苦痛らしいです。
別に独奏曲でも良い曲だと思うんですが、ショパンもオーケストラとやりたかったのでしょう。
ちなみに、のだめカンタービレでのだめとシュトレーゼマンが競演したのはこの曲デス。なるほどと思いました。

ピアノ独奏は活躍めざましい田村響。3年前にも定期で聴いた田村君ですが、さらにどっしりと安定して風格が出ていました。同い年とは思えない…。
力強いタッチで華やかなのはもちろんですが、一方で指の動きも物凄い。
音の粒が弾丸のごとく客席に打ち込まれていました。

アンコールは同じくショパンで「華麗なる円舞曲」、ガッツリやってくれました。


休憩挟んで、今日のメインである矢代秋雄さんの曲へ。
下野さんのプレトークでは、「皆さんそれぞれのイメージを抱いてください」とのことでした。
私は、過去を回想しながら見ている“夢の世界”というイメージを抱きました。
様々な情景が移ろいながらも、何かモヤモヤしてる感じがしたので。

第1楽章冒頭の弦によって奏でられる不穏な序奏から不思議な世界へ。
金管の勇壮な動機で幕を開けます。

「テンヤ、テンヤ、テンテンヤ、テンヤ」の変拍子が耳に残る第2楽章。
祭囃子からインスピレーションを受けたリズムらしく、日本のテイストを加える1つの方法でしょう。
打楽器奏者が奮闘!
特にマリンバとティンパニーはお疲れ様でした。あれだけ打楽器の見せ場があるのは20世紀の作品だからでしょうか。

第3楽章はコラール、コールアングレのメロディーが印象的。

そして、盛り上がるフィナーレの第4楽章。
弦や金管がメロディーを掛け合いながら高潮していき、夢から目覚めたかのように断ち切られていきなり曲が終わる。


アンコールはまさかの第2楽章繰り返し。
まさかここをやるとは思ってませんでした。団員の皆さんも困惑してたし。
さすがにオケもへたっていて、やや精彩さが欠けていましたが。

来た人は楽しめたであろう演奏会だと思います。
矢代秋雄さんは寡作ながら良い曲ばかりとのことで、下野さんも拍手を受けながらスコアを掲げ、「良いのはこっちこっち」というアピールをしてました。
いやいや、この曲を取り上げてくれた下野さんにも感謝ですよ。
矢代さんはピアノ協奏曲やチェロ協奏曲も書いているらしく、これらの曲も聴いてみたくなりました。

3月からの神奈川フィルは、しばらく聖響さんが続きます。まずは音楽堂。


さて、これから新国立劇場でワーグナー「ジークフリート」を聴いてきます。

syllable

Author:syllable
出身:横浜
在住:三重→兵庫→三重(現在)
クラシックを中心にジャズやJ-POPなどを聴いています。
神奈川フィルを応援してます!

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