2010/07/29 23:13:19

今年のフェスタサマーミューザで1番の注目公演。
雨が降ったりやんだりの落ち着かない天気の中、また川崎まで行ってきました。
なにしろ都響でアメリカ音楽というだけでも楽しめることは確実!(特にトランペットとトロンボーン)
さらに小川典子さんのピアノも聴けるとなったら行くしかない!
平日15時からという非常に行きにくい時間でしたが、前日に大きな懸念事項が終わり、上手い具合に予定が空いたのでチケットを急いで確保。
当日券はかなり余っていたようです。席の入りは5割くらい?S席とA席との間に空白地帯が発生していました。
●メンバーと曲目
指揮:キンボー・イシイ=エトウ
演奏:東京都交響楽団
ピアノ:小川典子
コンマス:矢部達哉
ガーシュウィン/パリのアメリカ人
ガーシュウィン/ラプソディー・イン・ブルー
グールド/アメリカン・シンフォネット第2番
バーバー/序曲「悪口学校」
ずらりとアメリカ作曲家の曲が並びました。作曲年は1920~1940年。
スウィングジャズの影響が色濃い曲が多かったです。この時代にビバップはまだ出現してないし。
コンマスは矢部さん。演奏を聴く機会はあまりなく、元音楽監督であるデプリーストさんの退任演奏会の時だけです。
「パリのアメリカ人」ではソロもあり。繊細な音を奏でるヴァイオリン奏者ということではこの人の右に出る人はなかなかいないでしょう。
トランペット首席は高橋さん、トロンボーン首席は小田桐さんという都響が誇る鉄板コンビ。
なにしろアメリカ音楽なので、お2人がソロで活躍される場面が非常に多かったです。今日のMVPは間違いない
キンボーさんは初めてでしたが、日本でもあちこちのオケで振ってるようです。
10月には神奈川フィルに客演しに来るらしいし。ニューヨークのオケの音楽監督をやってたとのことで、アメリカ作品を多く取り上げてます。
ガンガン行こうぜで盛り上げていくタイプに思いました。
あと、チェロ首席に見覚えのある方が。あれっ?
ご本人のブログによると、都響の首席が体調不良で、忙しい中急遽かけつけたらしいです。
前半はガーシュウィンのメジャーな曲が続きます。
「パリのアメリカ人」作曲は1928年。
3つの部分から成りますが、個人的には真ん中のブルース風のところが好きです。トランペットが重要!!
小川典子さんが登場し、「ラプソディー・イン・ブルー」 作曲は1924年。
以前、「へ調」の演奏を聴いて、その生き生きしたピアノがいいな~、と思ったので、こっちも当然期待してました。
もちろん演奏は大満足。ただ、曲的にオケの音量が大きくなってしまうので、ピアノの音が良く聴こえない場面もあったり。
派手な曲だけではなく、ドビュッシーなどのフランス音楽も聴いてみたいピアニストです。リサイタルのチラシが入ってましたね。
ここまでで集客のための2曲(たぶん)が終わり、マニアックな曲へ。ここからが特に力が入っている本命の曲でしょう。
次はモートン・グールドという初めて聞いた作曲家の曲。
作曲は1939年(?)でクラシックというよりはジャズの色が濃い曲。何しろドラムスがいるし。
ガーシュウィン以外にも、こういうジャズとクラシックを融合させた曲を書いた人がいたんだ!という発見がありました。
最後は序曲「悪口学校」、バーバーが初めて作曲した管弦楽曲だそうです。作曲は1931年。
戯曲は岩波文庫で出てるらしく、あらすじは、「ふたこと目には道徳を説くが裏では社交界を操る偽善家の兄ジョーゼフ。財産を叩き売っては放蕩三昧の弟チャールズ。インド帰りの叔父オリヴァーは兄弟の本心をためそうと、兄には貧者、弟には金貸しを装って現われるが…。巧妙な筋立てと場面が展開してゆく。シェイクスピア劇と人気を競う18世紀の劇作家シェリダンの風習喜劇」とのこと。
ここまでの流れとは異なり、あまりジャズっぽくはなく、むしろ映画で流れていそう。
オーボエのホノボノとした主題が良い!
アンコールはこういう時の定番曲、アンダーソン/プリンク・プランク・プルンクでした。作曲は1951年。
弦のリズミカルなピチカートが大好きです。今回もコントラバスはぐるぐる回ってました。ピアニッシモがすごく小さい。
金管の活躍する場面が多かったので、最後は弦楽器だけで締めるというバランスが良い。
期待通りの都響の演奏会でした!色んなオケを聴き比べるのは楽しいです。
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2010/07/25 21:47:30

高らかなファンファーレと共に、今年も「フェスタサマーミューザ」の季節がやってきました!!
今日のオープニングコンサートを皮切りに、8/15まで続きます。
今年は公式ブログに加えて公式twitterも登場し、情報が溢れております。
12時からスダーンさん&金管セクションによるオープニングファンファーレ。
三澤慶/「音楽のまちのファンファーレ~フェスタ サマーミューザKAWASAKIに寄せて~」という曲らしいです。(公式ブログ「バックステージニュース」より)
そして、12時半~14時は公開リハーサル。「未完成」は要点のみ、「夜の夢」は本番さながら。
TVカメラも入っていましたし、TVKとかで放送するんでしょうか?
本編は16時から。チケットは完売だったとのこと。9割以上の席が埋まってました。
いつも通り、3階後方の席を確保。
●メンバーと曲目
指揮:ユベール・スダーン
演奏:東京交響楽団
コンマス:高木和弘
ソプラノ:前川依子
メゾソプラノ:松浦麗
合唱:東響コーラス
語り:檀ふみ
シューベルト:交響曲第7番「未完成」
メンデルスゾーン:「真夏の夜の夢」(全曲)
土曜にもコンサートがあったためか(しかも2つも!)、首席の顔ぶれがいつも違う。全体的に若めの印象。
楽団員の服が真っ黒でした。「真夏の夜の夢」の演出の邪魔をしないために黒子になっていたということでしょうか?
まずは「未完成」、以前のシューベルトチクルスで高評価だったらしいです。
第1楽章出だしのワサワサした弦、オーボエ&クラリネットによる主題の提示など手堅い演奏。
まあ、名曲ですね。さすが三大交響曲の1つ。
オーボエとクラリネットに拍手でした。あとトロンボーンも。

休憩挟んで「真夏の夜の夢」。↑こんな感じになってました。(公式ブログ「バックステージニュース」より引用)
まず、檀ふみさんが登場。妖精のパックに扮して、狂言回しをしながらピョコピョコ跳ね回ってました。
てっきり座って朗読をするのかと思っていたので意外。スダーンさんは演技をさせるのが好きなようです。
続いて王冠を被ったスダーンさんが登場、妖精の王らしいです。
時々、妖精語と称してどこかの言葉(オランダ語?)を喋っていました。もちろん意味は分からない。
原作を予習しといたから良かったものの、初めて話を聞いた人はストーリーの全容が分かったんだろうか?
音楽は、場面場面を描写しているだけに非常に聴きやすい。
しかも色々な雰囲気の曲が散りばめられているので、誰しも好きな曲を見つけることができるでしょう。
もちろん「序曲」は鉄板ですが、個人的には「スケルツォ」が好き。
映画音楽で使われていそうな音楽なのですが、出てきたのは「ドラえもん銀河超特急」ぐらいでした。
サマーフェスタらしく、普段クラシックを聴かない人たちに音楽の楽しさを伝えようという意思を感じました。
しかしどこが“スダーンの音楽”だったのかは分からずじまい。曲が曲だから個性が出しづらかったんでしょうかね。あまりロマン派を聴かないので、とやかくは言えないのですが。
しばらくスダーン&東響の演奏会はないですが、次は彼がスペシャリストだというモーツァルトでも聴くとしますか。11月に「ジュピター」があります。
さて、帰り際についチケットを衝動買いしてしまったので、木曜にまたミューザへ来ることになりました。
小川典子さんのピアノ&都響のコンマス・金管を聴きに行ってきます。
2010/07/11 23:26:38
注目しているゴールデンコンビ、スダーン“先生”&東京交響楽団の演奏会へ。
行けば必ず楽しめるコンビなので、今年度はできるだけ足を運びたいと思っています。
今年度は5月のハロルドに続いて2回目。ブルックナーはあまり聴いたことがなかったし丁度良い。
雨の振る中をサントリーホールへ。
今回のテーマはブルックナー。未完の交響曲第9番と宗教曲テ・デウムの大曲が並びます。
作曲者本人が「交響曲第9番が未完に終わったら第4楽章はテ・デウムでもいいよ!」と言ったというのが今回のプログラミングの発端だそうで。
ただ、今回は文字通り1つの曲として続けて演奏するという試み。これはかなり珍しいらしい。
こういうのをやってしまうのがさすがスダーンさんなので、演奏会につい足を運んでしまうのですがね。
「公演中は休憩なし」ということをしつこくアピールしてました。
開演前のアナウンスでも、いつもの携帯電話の電源OFFに加えて、「交響曲第9番が終わってソリストが入ってきても拍手しないでください!」
これだけダメ押しをしたおかげで、無事に(?)拍手はありませんでした。
●メンバーと曲目
指揮:ユベール・スダーン
演奏:東京交響楽団
コンマス:グレブ・ニキティン
ソプラノ:澤畑恵美
アルト:小川明子
テノール:高橋淳
バス:久保和範
合唱:東響コーラス
ブルックナー/交響曲第9番
ブルックナー/テ・デウム
[↑続けて演奏]
オケと一緒に合唱団も入場。P席にずっと座ってました。ホルン×8人が圧巻。
まずは交響曲第9番。
第1楽章、出だしのこれから何かが始まる感じが好きです。空虚5度の響きが好き。
ここのホルンは厚いですね~。
主題は3つあるらしいですが、予習してなきゃよくわからない。
とにかく壮大な楽章。
そして、いつ終わるか分からなくて長くて寝る人多し。
第2楽章、音量がいきなりffになる箇所があって、客がみんな起きる。
でも弦がガンガン弾いてた印象なのはここぐらい?
オーボエのソロが素晴らしい。さすが荒さん。
第3楽章、アダージョ。
ゾクゾクする弦の旋律からスタート。
自作から色々旋律を引用してるらしいですが、詳しくないので良く分かりません。
ただ、集大成としてまとめようとしているんだなという感じは伝わってきました。
この曲と通して、個人的に東響にしては弦が控え目だった気がします。いつもガンガン弾いてるイメージなので。
スダーンさんの意向かな?
だからコンマスが大谷さんじゃなくてニキティンさんだったのかなと勘ぐってみたり。
何だかんだで、ここまででも十分1つの曲としてまとまってる気がします。
続いて本日の“第4楽章”であるテ・デウムへ。
曲が終わったのに指揮者は不動、拍手をしないという妙な空気の中、そそくさと独唱陣が入場。さすがにオケのチューニングはしてました。
この2曲を続けて聴くと、確かに違和感があるのは間違いないですね。
ただ、曲調としてベートーヴェン第九の1~3楽章と第4楽章の落差には皆慣れきってしまっていることを考えれば、今回のもありだと思うんですがね。調性はまた別ですが。
1時間以上ずっと待機していた合唱団がようやく立ち上がり、"Te Deum~♪"
ソリストではテノールの高橋さんが大活躍! 目立つ部分が多く、良いとこ取りでした。
さすがにカルミナ/焼けた白鳥の歌のように、身振りはなかったですが、普通に素晴らしいソリストです。
テ・デウムというと、1年ほど前に聴いた神奈川フィル&シュナイトさんの音楽監督退任演奏会が衝撃。
どっしりとした演奏で凄まじい祈りのパワーを引き出していました。
ただ、スダーンさんはカトリックとのことなのでプロテスタントのシュナイトさんとは違う見方があるのでしょう。
厳かというよりは華やかな演奏だった気がします。
ちなみに、ブルックナーはカトリックだったらしいので、今回の方が本来的な演奏なのでしょう。
さすがスダーンさんという手堅い演奏会でした。
プログラミングの是非についてはもっとブルックナーに詳しい方々にお任せするとして、とにかく面白かった演奏会でした。
東京交響楽団は、2週間後のミューザのオープニングコンサートへ行く予定。こちらももちろんスダーンさんでございます。
行けば必ず楽しめるコンビなので、今年度はできるだけ足を運びたいと思っています。
今年度は5月のハロルドに続いて2回目。ブルックナーはあまり聴いたことがなかったし丁度良い。
雨の振る中をサントリーホールへ。
今回のテーマはブルックナー。未完の交響曲第9番と宗教曲テ・デウムの大曲が並びます。
作曲者本人が「交響曲第9番が未完に終わったら第4楽章はテ・デウムでもいいよ!」と言ったというのが今回のプログラミングの発端だそうで。
ただ、今回は文字通り1つの曲として続けて演奏するという試み。これはかなり珍しいらしい。
こういうのをやってしまうのがさすがスダーンさんなので、演奏会につい足を運んでしまうのですがね。
「公演中は休憩なし」ということをしつこくアピールしてました。
開演前のアナウンスでも、いつもの携帯電話の電源OFFに加えて、「交響曲第9番が終わってソリストが入ってきても拍手しないでください!」
これだけダメ押しをしたおかげで、無事に(?)拍手はありませんでした。
●メンバーと曲目
指揮:ユベール・スダーン
演奏:東京交響楽団
コンマス:グレブ・ニキティン
ソプラノ:澤畑恵美
アルト:小川明子
テノール:高橋淳
バス:久保和範
合唱:東響コーラス
ブルックナー/交響曲第9番
ブルックナー/テ・デウム
[↑続けて演奏]
オケと一緒に合唱団も入場。P席にずっと座ってました。ホルン×8人が圧巻。
まずは交響曲第9番。
第1楽章、出だしのこれから何かが始まる感じが好きです。空虚5度の響きが好き。
ここのホルンは厚いですね~。
主題は3つあるらしいですが、予習してなきゃよくわからない。
とにかく壮大な楽章。
そして、いつ終わるか分からなくて長くて寝る人多し。
第2楽章、音量がいきなりffになる箇所があって、客がみんな起きる。
でも弦がガンガン弾いてた印象なのはここぐらい?
オーボエのソロが素晴らしい。さすが荒さん。
第3楽章、アダージョ。
ゾクゾクする弦の旋律からスタート。
自作から色々旋律を引用してるらしいですが、詳しくないので良く分かりません。
ただ、集大成としてまとめようとしているんだなという感じは伝わってきました。
この曲と通して、個人的に東響にしては弦が控え目だった気がします。いつもガンガン弾いてるイメージなので。
スダーンさんの意向かな?
だからコンマスが大谷さんじゃなくてニキティンさんだったのかなと勘ぐってみたり。
何だかんだで、ここまででも十分1つの曲としてまとまってる気がします。
続いて本日の“第4楽章”であるテ・デウムへ。
曲が終わったのに指揮者は不動、拍手をしないという妙な空気の中、そそくさと独唱陣が入場。さすがにオケのチューニングはしてました。
この2曲を続けて聴くと、確かに違和感があるのは間違いないですね。
ただ、曲調としてベートーヴェン第九の1~3楽章と第4楽章の落差には皆慣れきってしまっていることを考えれば、今回のもありだと思うんですがね。調性はまた別ですが。
1時間以上ずっと待機していた合唱団がようやく立ち上がり、"Te Deum~♪"
ソリストではテノールの高橋さんが大活躍! 目立つ部分が多く、良いとこ取りでした。
さすがにカルミナ/焼けた白鳥の歌のように、身振りはなかったですが、普通に素晴らしいソリストです。
テ・デウムというと、1年ほど前に聴いた神奈川フィル&シュナイトさんの音楽監督退任演奏会が衝撃。
どっしりとした演奏で凄まじい祈りのパワーを引き出していました。
ただ、スダーンさんはカトリックとのことなのでプロテスタントのシュナイトさんとは違う見方があるのでしょう。
厳かというよりは華やかな演奏だった気がします。
ちなみに、ブルックナーはカトリックだったらしいので、今回の方が本来的な演奏なのでしょう。
さすがスダーンさんという手堅い演奏会でした。
プログラミングの是非についてはもっとブルックナーに詳しい方々にお任せするとして、とにかく面白かった演奏会でした。
東京交響楽団は、2週間後のミューザのオープニングコンサートへ行く予定。こちらももちろんスダーンさんでございます。
2010/07/10 10:32:43

記事がアップされていなかったので、遅ればせながら載せます。
札幌の親戚の家に顔を出すことになり、せっかくなので滞在中にオーケストラの演奏会がないかと調べたところ、ちょうど6/26に定期演奏会があったのでチケットを購入!
指揮は音楽監督の尾高さんだし、何やらマニアックで意欲的なプログラムなので、初の札幌交響楽団を堪能するのにこれは良い!と期待しておりました。
この日は、札幌では異常だという30℃の猛暑。札幌の人々はバテてました。
地下鉄を降り、豊平公園を歩いてkitaraホールへ。人がゾロゾロホールへ向かってました。

1997年に開館とのことで、意外にも横浜のみなとみらいホール(1998年)より長い歴史をお持ちです。
開演30分前にはロビコンがあり(今回は金管5重奏)、さらに尾高さんのプレトークもありました!
地方オケにはこういう心配りが大事ですよね。
札幌は文化が根付いている土地柄なのだと思いました。
●メンバーと曲目
指揮:尾高忠明
演奏:札幌交響楽団
コンマス:三上亮
チェロ:タチアナ・ヴァシリエヴァ
メゾ・ソプラノ:加納悦子
バリトン:三原剛
合唱:札響合唱団、札幌放送合唱団
オネゲル/夏の牧歌
サン=サーンス/チェロ協奏曲第1番
サン=サーンス/チェロ協奏曲第2番
デュリュフレ/レクイエム
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