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20160924 ジャパン・ヴィルトゥオーゾ・シンフォーニー・オーケストラ

「日本の各オーケストラから、コンサートマスターや首席奏者といった演奏家たちを集結したら、果たしてどんなオーケストラになるだろうか」
この発想で始まったというジャパン・ヴィルトゥオーゾ・シンフォニー・オーケストラ。
サッカーの日本代表のクラシック版ですね。

今年でなんと創立25年目だそうです!
公演は今回で87回目だそうですが、プレトークでの三枝さんの話によると、三重県での公演は初めてだったそうで。

もう岡田文化財団さまさまです。イオンさすが!
しかも、抽選で招待券を配ってくれるという太っ腹さ。
四日市市文化会館で演奏してくれるというのも、三重県民にはありがたい限りです。

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●メンバーと曲目
指揮:大友直人
演奏:ジャパン・ヴィルトゥオーゾ・シンフォニー・オーケストラ
プレトーク:三枝成彰

コンマス:藤原浜雄


ベートーヴェン:レオノーレ序曲第3番
ベートーヴェン:交響曲第7番
チャイコフスキー:交響曲第4番


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会場へ行くまで誰がいるのか分からなかったので、あちこちのオケを聴きに行っている身としては、プログラムで「あっこの人がいるんだ!やったー!」というのが楽しかったです(^^)

ざっと思いつくままに挙げると、

ヴァイオリンとオケ全体をまとめ上げたの巨匠コンマス藤原浜雄さん(元読響)
キレイなメロディが心に残ったオーボエ古部賢一さん(新日本フィル首席)
安心のトランペット高橋敦さん(都響首席)
迫力ある低弦を引っ張ったコントラバス吉田秀さん(N響首席)

こちらの方々が特に印象に残りました。終演後にとりわけ大きな拍手を贈った方々です。

他にもたくさんいらっしゃるんですがキリがありません。
第1ヴァイオリンだけでも、山本友重さん、グレブ・ニキティンさん、高木和弘(たかぎぃ)さんというコンマスがズラズラ並んでるし!

東海勢の名古屋フィルは、チェロ首席の太田さんが2番手に、ヴィオラ首席の石橋さんが2番手にお座りでした。
それぞれの今日の首席の方が何者だったのか気になります。

こんな豪華メンバーなので、音が分厚い!
藤原さん率いるヴァイオリン vs 吉田さん率いる低弦群 で弦の音がステレオ的にグワッと来て、そこに木管・金管のトップレベルのテクニカルな演奏がかぶさってきて、というすごいことになっていました。


さて、前半2曲はベートーヴェン。
交響曲第7番は、個人的にベートーヴェンの交響曲で1番好きな曲です。
リズムがテーマだからというのもありますが、指揮者の解釈とオケの得意分野で演奏がガラリと変わるので聴き比べが面白いのも魅力。

ヴィルトゥオーゾオケは、弦の馬力とアンサンブル力があるので、普通のオケに比べてかなりの迫力でした。
特に、コントラバスやヴィオラがしっかりしているので、ガッチリした構造の音が客先に飛んできました。
縁の下の力持ちは大事。ヴァイオリンだけしか聴こえない演奏が多いので。

アンサンブル力の高さをもっとも感じたのは、交響曲第7番の第4楽章。 
弦がドバーンと波打って客席に押し寄せ、金管が高らかにファンファーレの音を鳴らして客席を貫くという演奏でした。

逆に、第2楽章のアダージェットは堂々としすぎて、あまり趣味ではなかったかな…。
もっと切なく、枯れた感じの方が好きなので…。


後半はチャイコフスキーの4番。
第1楽章の嘆くような弦、第2楽章の木管群の哀愁あふれるソロ、第4楽章のガンガン盛り上がるフィナーレ、どこをとっても充実している演奏でした。

しかし、私のイチオシは第3楽章!
5分ほどの短くシンプルで素朴な楽章ながら、聴いてて楽しくなってくる、この曲で1番好きな楽章です。
弦楽器は弦を弾くピチカート奏法のみ。音のごまかしが効きません。
場面変わって、木管ソロが絡んだり、金管がマーチ風のメロディーを吹いたり。実は見せ場多し。
チャイコフスキー曰く「ほろ酔い気分の中で飛び交う気まぐれな唐草模様」だそうです。
興奮する派手なフィナーレも良いですが、こういう楽章こそオケが上手いと素晴らしい。

↓こんな曲です。(Youtubeより)


アンコールは、ヨハン・シュトラウス2世の「雷鳴と稲妻」でした。
ウィーンフィルニューイヤーで良く演奏されていますが、リズムに乗ってウキウキになって好きな曲です。



直球勝負の定番曲のプログラムでしたが、このオケは上手い!
個人的には地域オケを末永く聴き続けるのが1番という考えの人間ですが、たまにはこういう“日本代表”的なオケも面白いと思いました。
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モーツァルトのオペラ「魔笛」を観てきました!
芸術祭であるあいちトリエンナーレがプロデュースするという珍しいタイプの公演。

猫町藝術部の一員として参加です。
事前に、鈴木淳史さんのレクチャーを聞いてから、いざ会場の愛知県芸術劇場へ!
あいちトリエンナーレのプロデュース企画だからか、老若男女さまざまな観客が集まっていました。
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●メンバー
演出・美術・照明・衣裳: 勅使川原三郎

指揮:ガエタノ・デスピノーサ
管弦楽: 名古屋フィル

賢者ザラストロ:妻屋秀和
鳥刺しパパゲーノ:宮本益光
王女パミーナ:森谷真理
王子タミーノ:鈴木准
夜の女王:高橋維
弁者&神官Ⅰ:小森輝彦
恋人パパゲーナ:醍醐園佳
侍女Ⅰ:北原瑠美
侍女Ⅱ:磯地美樹
侍女Ⅲ:丸山奈津美
従者モノスタトゥス:青栁素晴
神官Ⅱ:高田正人
武士Ⅰ:渡邉公威
武士Ⅱ:小田桐貴樹
童子Ⅰ:井口侑奏
童子Ⅱ:森季子
童子Ⅲ:安藤千尋

ダンサー&ナレーション:佐東利穂子

ダンサー:東京バレエ団
合唱: 愛知県芸術劇場合唱団

[※舞台の写真は、名古屋フィルtwitter、ぶらあぼhttp://ebravo.jp/archives/29017、から引用させていただきました]

幕が開いて、まず目を惹いたのが、シンプルな舞台セット。
モノクロな空間にリングがいくつか宙に浮いているだけ。場面の展開ごとに動くだけ。(ビッグサイズのリングも1度登場しましたが)

↓こんなの
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だいぶ節約したなーとは思ったのは事実ですが(笑)、「魔笛」という教訓的・社会的なメッセージが強いオペラを、ここまでシンプルな舞台にしてしまうのはかなり勇気が必要だったことでしょう。
イマドキの演出だと、舞台を現代に置き換えちゃったりして、ザラストロをうさんくさい人にしたりと、いくらでも演出家の主張を押しつけがましくできそうなので。
私は、シンプルな方が好きです。

そして、これは"日本的"な演出だと思いました。
能舞台がセットを全く変えずに、寺や宴の場や夢の世界になったりするように、今の舞台が鳥刺しがいる森なのか、僧侶がいる寺院なのか、試練の岩山なのか、観客の想像力に委ねてしまう。

また、「これは何だろう?」と考えさせる点では現代芸術、例えばあいちトリエンナーレの作品群にも通じるものを感じました。
何しろ、港芸術監督は、「あいちトリエンナーレの120番目のアーティストが、モーツァルトです。」とおっしゃっているので。
見ただけで笑ってしまうモノスタトゥスの奇怪な姿、モノクロの世界の中でなぜタミーノは赤、パミーナは青の色なのか、などなど深読みしたくなるところだらけでした。


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この観客に主張を押し付けない方針は、大胆なナレーション構成にも感じました。
原作ではたくさんあるドイツ語のセリフ部を大胆にカットし、日本語のナレーションで要約してしまうので、サクサク物語が進みます。
[※当日の劇場での案内は、第1幕:60分、第2幕:75分。ちなみに1月に新国立劇場での上演では、第1幕:70分、第2幕:85分だったそうです。]
初鑑賞でもあらすじを追いやすい反面、ダイジェスト版のようになって軽くなってしまうという面も。
ちょっとやりすぎ?


さて、歌手陣ではまずパパゲーノの宮本益光さん!
コミカルな場面でもシリアスな場面でも切り替えて歌いこなす表現力が素晴らしかった!
その表現を、舞台上を鳥のように縦横無尽に飛び回りながら、ノリノリで楽しそうに歌いこなしていました!
こういうの好きそう。

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最初の「俺は鳥刺し」の「ホイサッサ♪」から最後の「パパパパ♪」まで、「魔笛」のムードメーカー役として、オペラ全体をまとめていました。
個人的に、日本のバリトン歌手でトップ2に入る方なので、期待通り!


そして、パミーナの森谷真理さん!
失礼ながら存じ上げない方でしたが、なぜこれほどの歌い手がノーチェックだったのか!
自分の浅学さを感じました…。
舞台から遠い4F席だったのに、しっかりと情感が伝わってくる歌声でした!
特に、第2幕でタミーノに捨てられたと思って歌う哀切あるアリア「愛の幸福は永遠に消えて」が良かったです。

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森谷さんは夜の女王役を何度もこなしているそうで、どおりで胸に迫る表現力があるわけだと思います。
今後は演奏会で名前がないかチェックすることにします。


そして、オペラの屋台骨を文字通り支えていたのが、ザラストロの妻屋秀和さん。
包容力があって温かみがある声がこの役にピッタリ。
夜の女王に短剣を渡されて打ちひしがれているパミーナに語りかける、超低音のアリア「この聖なる殿堂では」が特に印象的でした。
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指揮のデスピノーザさんと、オケの名古屋フィルは控えめな印象。
オペラだとバランス上こんなものなのでしょうか。
パパゲーノの曲で活躍したフルートソロは、名フィルの誰が吹いていたのでしょう?

場面がどんどん変わって全然飽きず、あっという間に終演でした!
とっかえひっかえコロコロ場面が変わるのに破綻しない音楽構成に、モーツァルトの天才性を実感することができました。
また、勅使河原さんの演出が話題のオペラでしたが、実演を観るのは初めてだったのもあり、変な固定観念を持たず純粋に楽しむことができました。
終演後の食事とお酒もおいしかった!
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ここまでシンプルにされると、かえって"普通"の「魔笛」も気になってきました。
機会があれば比較してみたいと思います。


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神奈川フィル鑑賞のため横浜へ遠征してきました!
6月に名古屋で、名古屋フィルとの合同演奏会は聴きましたが、横浜遠征は約10ヶ月振り。

今回のトピックスは何と言っても「ゲッツェルさんが首席客演指揮者を退任!?」
この9/17と9/22の演奏会が最後になる、と。
発表を聞いた時はショックでした…。

毎回名演のゲッツェルさんと神奈川フィルのコンビ。
遠方に住んでいながら、毎年聴きに来ていました。

これまで聴いたラインナップはこちら。
2009年7月:マーラー/交響曲第1番
2014年1月:ブラームス/ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲、R.シュトラウス/「バラの騎士」組曲(&狂乱のポルカ!!)
2015年1月:コルンゴルト/チェロ協奏曲、ベートーヴェン/交響曲第3番「英雄」
2015年11月:ブラームス/ピアノ協奏曲第2番、コルンゴルト/シンフォニエッタ

毎回ウィーンの風を神奈川フィルに吹かせてくれました。
今日の演目もそんな曲。

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●メンバーと曲目
指揮:サッシャ・ゲッツェル(首席客演指揮者)
演奏:神奈川フィル

ヴァイオリン:ライナー・キュッヒル[ウィーン・フィルコンサートマスター]

コンマス:石田泰尚


ゴルトマルク/ヴァイオリン協奏曲第1番
マーラー/交響曲第5番


開演前に、ゲッツェルさんの簡単なプレトーク。
「神奈川フィル定期、初登場でマーラーを振った。最後もマーラーに。」
「キュッヒルさんとはゲッツェルさんが子供の時からの知り合い(結婚式に出席したそう)」
「Auf wiedersehen!(また会いましょう!)」

また、ロビーに音楽の友でのキュッヒルさんとゲッツェルさんの対談の記事が展示されていました。
図書館の雑誌棚を探さないと!


さて、前半は、キュッヒルさんのゴルトマルク。
遥かなる高みの演奏でした!
曲は派手では無いもののとにかく難しそうなのですが、高音も細かい音もスラスラと弾いていました。
さすが世界最高峰ウィーンフィルのコンマスです。

ドラマチックさや派手さはないけど小粋で美しい佳曲でした。
まあ、演奏での華が少ない割に難しすぎるから、めったに演奏されないのでしょうけど。

キュッヒルさんの音は落ち着きがあるタイプで、神奈川フィルの柔らかな音とマッチしていました。
ゲッツェルさんの神奈川フィルとの引き合わせ、グッジョブです!

アンコールは、バッハの無伴奏パルティ―タ。安定の演奏でした。


後半はマーラー5番。
マーラーの交響曲で1番多く実演を聴いている曲ですが、その中で1番イキイキした演奏でした!
ウィーン子のゲッツェルさんならではの強弱、息継ぎ、アクセント、テンポなどの集積の賜物なのでしょう。
やりたい放題で、これがいわゆる"正統派の"演奏なのかは分かりませんが、演奏者と聴いてる側が楽しければ良し!
その分、オケの皆さんは合わせるのが大変そうでした。
何でもいつもより練習回数が多かったとか。
終演後の楽団員さんはいつになくお疲れのようでした。

神奈川フィルでの前回の演奏は、2011年2月の金聖響さん。
サラサラした"草食系マーラー"でこれはこれで面白かったですが、同じオケでもだいぶ変わるものですね。

第3楽章
ホルンがとにかく大変な楽章ですが、首席のミカさんが全ての旋律を見事に吹いてブラボー!
終演後真っ先に拍手が贈られました!

第4楽章は有名な「マーラーのアダージェット」
たっぷりと間をとって、会場が物音1つしない静謐さに包まれてから演奏開始。
30秒ぐらい待ってた?ここまで待つのは珍しい。
ただ、非常に残念だったのは、近くで時計のアラーム鳴らした輩がいたこと。よりによってこのタイミングで!
もちろん、その後の神奈川フィルの弦楽の美しさは言うまでもなく。

第5楽章
第4楽章の最後の音が虚空に消えた後、そのまま続けてホルンや木管が入ってくる最初の部分が大好きです。
そして、フィナーレの高らかな金管のコラール!超高速で突っ込むラスト!
聴いた充実感がある演奏でした。

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打ち上げは、神奈川フィルファンの方々と横浜ビールの店「驛の食卓」へ。
「お帰りなさい」と言ってもらえる仲間がいるのはありがたい限りです。
おいしいビールと食事、突然始まる歌と演奏など楽しい時間を過ごしました(^^)


さて、そろそろ来シーズンのプログラム発表の時期です。
昨年は10月発表だったので、今頃はいろいろと調整中なのでしょう。
ファンとしては心待ちにしていますが、ゲッツェルさん来年度以降も神奈川フィルへ来てください!

20160909 熱帯JAZZ楽団スペシャルライブ@四日市

日本のラテンジャズと言えば熱帯JAZZ楽団!

暑いラテンな曲でパワフルに日常を吹き飛ばすだけでなく、ラテンっぽく無いジャズや映画音楽も貪欲に取り込んで熱帯JAZZ化してしまう吸収力の強さも面白さの1つ。
個人的には一時期かなり聴いていて、エレクトーン用にバンドスコアからアレンジして発表会弾いたことがあったのも今は昔。

そんな三重県民のファンとして、わざわざ四日市まで来てくれるなら行かなくてはいけません!

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●メンバー
Perc(&Vocal)/カルロス菅野 
Timb/美座良彦 
Pf/森村献 
Dr/平川象士 
Conga/岡本健太 
Bass/高橋ゲタ夫
Tp/鈴木正則、奥村晶、松木理三郎、松島啓之 
Tb/中路英明、青木タイセイ 
B.Tb/西田幹
A.Sax/萱生昌樹、藤陵雅裕 
T.Sax/アンディ・ウルフ 
B.Sax/竹村直哉[※宮本大路さん病欠]


総勢17人という大所帯から放たれる豪勢なサウンド!
外は夏の盛りが終わってきていますが、会場の熱気はどんどん上がっていきました!

ラストでは観客が立ち上がって、曲に合わせて手を振り始めるほど。
いかにも地元のおばちゃんというご婦人も、最後にはノリノリになっていたのが印象的です(^^)
四日市JAZZ FESTIVALによって、地元にJAZZが少しずつ浸透している一端なのかなと感じました。


以下、印象に残った場面を3つ。

『I've Got The World On A String』(フランク・シナトラ)
カルロスさんがなんとボーカル!
なかなか上手い! 
ノビノビとした声質で気持ちよく歌ってらっしゃいました。

『Spain』(チック・コリア)
原曲の情熱を秘めたクールさが大好きですが、熱帯JAZZでの分厚いサウンドも迫力があって良かったです。
コンガなどのTHE南米パーカッションが案外曲に合っていて、スペインと南米で国は違っていても、歴史的にはつながっているものがあるのかなと。

アンコール『September』(Earth Wind & Fire)
1曲前からほぼ総立ちになってる観客が、最後の一押しで最高潮に。
ライブで盛り上がる曲ですね。
原曲のメロディーラインと知名度によるパワーがすごい。


来週9/17,18は四日市JAZZ FESTIVALという街中のあちこちでジャズライブが繰り広げられるイベントが開催されます。
大阪昌彦さんやクリヤ・マコトさんなど、良い奏者も来るので行きたいけど、先約があるので今年は見送りです…。
来年こそは!

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名古屋能楽堂へ能楽鑑賞へ行ってきました!

日本の伝統芸能というと、文楽・歌舞伎・落語・雅楽(・宝塚)へは観に行ったことがあるのですが、能は幼少の頃に親に連れて行ってもらって、全然分からなかった印象が強く、ずっと行く機会がありませんでした。
そんな中、所属しているサークルで能楽鑑賞会が企画されたので、良い機会と思い参加してきました。


●メンバーと演目
能「巴(ともえ)」(宝生流)
/シテ 玉井博

-休憩-

狂言「引括(ひっくくり)」(和泉流)
/シテ 藤波徹
能「杜若(かきつばた)」恋之舞(観世流)
/シテ 清沢一政


まだまだ暑い中、ワクワクしながら会場の名古屋能楽堂へ。
名古屋城のすぐそばにこんな空間があるとは知りませんでした。

指定席と自由席があり、正面の後ろが自由席エリアだったので席を確保。
指定席は8~9割方埋まっていて、常連の貴婦人方が能を支えていることが良く分かりました。
若めの人は全然見当たりませんでした。クラシック音楽よりさらに平均年齢が高そう。今後の次世代への普及が課題なのでしょう。

今年度の能楽堂は「―能・狂言が描く“愛と恋”―」がテーマ。
プログラムによると、能が700年間ずっと受け継がれてきたのは普遍的なテーマを扱っているからで、愛と恋はその最たるもの、ということだそうです。
今回の3つの演目もすべて愛がらみです。

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前半は、主君への忠義を貫く「巴」
近江の粟津を訪れた僧の前に、木曽義仲に仕えた巴御前の例が登場し、昔語りをしていくというお話。
「ピー!」という笛の音で場内の空気が一気に引きしまり、鼓の「よ~」「は~」「ポン」のリズムで舞台が動き始めます。
シンプルながら効果的な音の使い方だと思いました。

見どころは後半、巴御前が武士姿になり、薙刀を持って舞う場面が華やかでした。
その後、早着替えで一転白装束になるのも視覚効果バツグン。着付けをする後見さんは大変そうでしたが。
人気演目だという理由がわかりました。


休憩をはさんで、まずは狂言、夫婦の言い合いが面白い「引括」
「田舎に帰ったら?」「じゃあ印がほしい」「この袋に入る好きな物を持って行け」「それじゃあ…。」
と、展開はミエミエながらも和むお話でした。
テンポ良く、言葉も分かりやすくて親しみやすかったです。
「狂言はコント」と言われるのも納得。

最後は、幻想的な舞が印象的な「杜若」
在原業平が詠んだ有名な杜若の歌「からころも きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞおもふ」を下敷きに、杜若の精が登場する幻想的なお話に。
普通なら業平の生涯が演目になりそうなのに、杜若の精という発想がどうやって思いついたんだろう? 昔の人の発想は自由です。

前半は普通の里女に扮していた杜若の精が、後半は衣装替えで華やかな唐衣(からころも)へ変身!
その後、優美な舞が繰り広げられました。
もっとも、舞があまりにも長かったので(30分ぐらい?)、私はコックリコックリしてましたが…。
脇の方々が、ずっと微動だにせず控えていて、プロ意識を感じました

併設して展示室もあり、面を付けることができるコーナーも。視界がかなり狭くなり、ほとんど周りが見えないことが体感できました。
その中で、よくあれだけの立ち振る舞いができるなと驚きでした。

三者三様の愛の形でしたが、個人的には「巴」の武士姿での舞とその後の白装束への衣装替えが鮮烈で印象に残りました。

別世界へいざなわれた3時間弱でした。
せわしない現代社会に生きる身としては、たまにはこういうゆったりした時の流れの空間に身を任せるのも良いかなと思いました。
でも、本格的に観るには教養が全然無いなので、まだまだです。

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Author:syllable
出身:横浜
在住:三重→兵庫→三重(現在)
クラシックを中心にジャズやJ-POPなどを聴いています。
神奈川フィルを応援してます!

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