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20210124 東京フィル&バッティストーニ~『火の鳥』~

バッティストーニをお目当てに行ってきました。
大変な中をよくぞイタリアから来てくれました!
年始早々に日本入りして待機していたそう。

注目の若手指揮者の1人としてTVでも見かける人で気になっていた人です。
「題名のない音楽会」に登場したり、東急ジルヴェスターコンサートに登場したり。
ちなみに、指揮者本読書会の6月の回でも取り上げられますね。ここ大事!
あと個人的に同い年の指揮者は珍しいので、チェックしたかったというのもあります。まあ、そうは見えない貫禄と活躍っぷりですが。

会場は渋谷のオーチャードホール。
アクセスが良いのはありがたいけど今のご時世なので人混みを避けつつ足早に駅から直行。

●メンバーと曲目
指揮:アンドレア・バッティストーニ
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団 
コンマス:近藤薫 ←松葉杖だったけど大丈夫?

ラヴェル:『ダフニスとクロエ』第1組曲・第2組曲
ストラヴィンスキー:バレエ組曲『火の鳥』(1919年版)

こういうプログラムなので公演時間は休憩無しで1時間だけ…。物足りん。
これで、下から2番目のランクの席でも7000円とは強気。さすが東京のオケは違いますねー。

当日券の販売は無しでしたが席の埋まりはポツポツ。まあ仕方がない。
舞台に楽器多い。ピアノやチェレスタ、オルガンも。
ウインドマシーンという風の音を出す珍しい楽器もありました。『ダフニスとクロエ』以外では『ドンキホーテ』の風車の場面で登場するのが有名です。

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※バッティストーニ氏の演奏会についてのコメント
シーズンは1月に“バレエ・リュスの宵”でスタートします。私の好きな二つのバレエ作品『ダフニスとクロエ』と『火の鳥』に焦点を当てます。どちらも再生、新しい夜明け、新しい太陽が生命を吹き込み、祝福をもたらす音楽です。
ラヴェルのスコアに描かれた“夜明け”のシーンは、これまで作曲された最も美しい音楽的な日の出の一つですが、それによって啓示された太古の世界を描きます。
ストラヴィンスキーの英雄と怪物のおとぎ話は、善と悪の永遠の戦いを描いて、最後のクライマックスでは悪が破壊され、自由と希望に満ちた新たな世界が始まるのです。
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本命の『火の鳥』
バッティストーニの手にかかると、本当はバレエ組曲なのにオペラ組曲(管弦楽版)みたいな演奏になっちゃってました。
全身を使って弦楽器が管楽器がとにかく歌う歌う。特にソロ。
甘美なフレーズを歌い上げるところなんか、
息継ぎをしているような弦楽合奏のフレージング。
ソロを浮き立たせるための音のバランスはすごく気を遣っているように感じました。伴奏はメリハリ付けてすごく音を落とすし、効果を引き立てるためにテンポ揺らすし。
この演奏に合わせてバレエを踊るのは無理ですね。
印象的だった部分は「子守唄」。
思わず「遅っ!」と脳内ツッコミをするぐらいのスローテンポで音を溜めてくるので、オーボエとファゴットの首席ソロがすごく大変そうでした。

1局目の『ダフニスとクロエ』、特に「夜明け」はすごくメロディック。
打楽器奏者が最後列に8人横並び!というのは壮観。フィナーレでの熱狂的な盛り上がりに大きく貢献していました。

しっかりドラマを聴かせてもらった演奏会でした。
平時なら終演後にブラボーが飛ぶでしょう。
個人的には面白い演奏だと思いましたが、好みは分かれそうです。

この人の指揮のイタリアオペラは面白そうですね。6月末に名古屋にてヴェルディ『仮面舞踏会』の公演で登場しますが、チケットは高いし、そもそもその頃に情勢がどうなっているか。
逆にドイツ物を振ったらどうなることやら。曲によってはこれは違うと拒否感が出そうですが、まずはベートーヴェンの交響曲第7番辺りから料理してもらったらどんな感じになるんでしょうかね。
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20210103『妹背山婦女庭訓』 (1)

2021年の初鑑賞は文楽から。大阪へ遠征して国立文楽劇場での初春文楽公演の第3部『妹背山婦女庭訓』を観て(&聴いて)きました。

女同士のバトル、男の見得、男女の恋情、自己犠牲など、てんこ盛りの内容。
とにかく勘十郎さんが操るお三輪ちゃんが可愛かったです♪
浮き沈みする心情の変化が細やかな仕草からすごく伝わってきました。
(ちなみに、お三輪ちゃんは↑のパンフの子です)

20210103『妹背山婦女庭訓』 (4)

『妹背山婦女庭訓』は、2019年11月の関西猫町の読書会で大島真寿美さんの『渦』を読んで以来観たかった演目。
直木賞受賞で話題になりましたね。
大島さん本人がいらっしゃったり、読書会会場が他でもない国立文楽劇場で皆で文楽鑑賞したりと濃い1日でしたが、詳しくは当時の開催レポを↓
http://www.bookreading.nekomachi-club.com/side/75123

20210103『妹背山婦女庭訓』 (7)
20210103『妹背山婦女庭訓』 (8)

暗くなってきた18時前に国立文楽劇場へ到着。
もう最近では見慣れた風景になった検温と手の消毒をして中へ。
人形もマスクしてます。

20210103『妹背山婦女庭訓』 (5)
20210103『妹背山婦女庭訓』 (6)

年始なので鯛や鏡餅もありました。


20210103『妹背山婦女庭訓』 (2)
20210103『妹背山婦女庭訓』 (3)

あらすじと配役は上の通り。
今回の演目は全五段ある『妹背山婦女庭訓』のうちの四段目。
ツッコミどころ満載のハチャメチャな設定ですが、まあツッコミ始めるとキリがないのでほうっておきましょう。

ちなみに今回の座席は4列目でした。公演1週間前を過ぎていて、しかも初日なのに奇跡的に空いていたので即購入。
お三輪ちゃんが間近で細かい仕草も観れてすごく良かったです♪
特に勘十郎さんは表情豊かに操る人形遣いさんというのがこれまでの印象なので、顔の角度を微妙に変えて感情表現していたり、身体がピクピクしていたり、嫉妬で狂ったりと
三浦しをんさんの『あやつられ文楽鑑賞』で勘十郎さん曰く、「人形の手と、人形の目線の動きとを、ピタリと合わせることが基本中の基本」というのも確かにその通りなんだなと確認できました。

ただ、前の方の席だと、舞台向かって右端にいる三味線さんと太夫さんが完全に視界から外れてしまうので、こちらの方々がお目当てで文楽を"聴く"ならもっと後ろの方が良いですね。
あと、舞台上方に唄っている歌詞の字幕が出るんですが、顔をしっかり上げないと見えなかったのも地味に面倒でした。
歌舞伎だととにかく役者の近くが良い席だろうと思いますが、文楽だと観る人の好みによって席の場所が変わりそうなのが面白いです。


何と言ってもお三輪ちゃんの枠にはまらない積極さが魅力的な段なので、『渦』より一部引用。
「お三輪は、婦女庭訓の外へするっと出ていったおなごです。…。素直な気持ちで、素直に動く。ただそれだけなんです。後先なんて、なんも考えてへん。ただ好きな男のことしか思うてへん。恋や。お三輪にあるのは恋心だけや」

さて、以下はそれぞれの場面で印象に残ったところを。

①道行恋苧環(みちゆきこいのおだまき) 
1番華やかな場面でした!
イケメン男を女2人が取り合って口論するのが見ものという現代のドラマでもありそうな場面。
橘姫&お三輪ちゃんの人形2人がそろい踏みで動きまくるのでどっちを観てれば良いのやら。

太夫も三味線もたくさんいて音も分厚くて華やか。
メインのお三輪ちゃん役が織太夫さん。2月の藝術部の課題本にもご登場。
三味線を率いるのが藤蔵さん。
このメンツって、そういえば11月の『本朝廿四孝』のクライマックス「奥庭狐火の段」で観て、いいなと思った3人でした。
どのように良いかの言語化できるほどの技量はありませんが…。


②鱶七上使の段
一転男臭い場面に。
鱶七が啖呵を切るので、人形の文楽よりは人が演じる歌舞伎版の方が映えそう。
モブの官女たちがやたら動く。逆ナンパするし。文楽に出てくる女性はたいてい積極的な気がする。

③姫戻りの段
男女が再会したので甘々展開になるかと思ったら、おいおい刀を抜き始めたぞ、というまさかの緊迫した展開に。
近松半二はんの仕掛けでしょうか。
恋は盲目。それを利用するイケメン。

④金殿の段
お三輪ちゃんがひたすら可哀想。
モブに虐められて、嫉妬に狂って、いきなり刺されて死んじゃうなんて…。
髪を振り乱して裏切られたイケメンも元へ行こうとする様が、恋に落ちた人間の狂気をこれでもかと見せつけます。
浮き沈みが激しい場面なので、太夫さんの唄がすごく難しそうでした。


各場面毎にバラエティがあり、さらにドラマティックな展開で飽きさせないので、人気演目なのも納得です。
『妹背山婦女庭訓』は、三段目の川を挟んでの「妹山背山の段」も観てみたい場面なので、今後どこかで演目がかからないかチェックしていきたいと思います。

syllable

Author:syllable
出身:横浜
在住:三重→兵庫→三重(現在)
クラシックを中心にジャズやJ-POPなどを聴いています。
神奈川フィルを応援してます!

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