2017 / 05
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シュナイトバッハ合唱団


神奈川フィルもお世話になっていた偉大な指揮者であられるシュナイトさんのファイナルコンサート。
今まで数々の素晴らしい演奏会を作り上げてくださいましたが、これを最後に演奏活動を引退してドイツで静養するとか。
公演プログラムに、シュナイトさんが数年前に語ったという言葉が載ってました。

「音楽活動から引退する時は、バッハに心からの感謝を捧げて「ロ短調ミサ曲」を演奏したい。その時がいつになるか、どこになるか分からない。(以下略…)」

最後にふさわしい曲だと思います。


●メンバーと曲目
指揮:ハンス=マルティン・シュナイト
演奏:シュナイト・バッハ合唱団/管弦楽団

ソプラノ:平松英子
メゾ・ソプラノ:寺谷千枝子
テノール:畑儀文
バリトン:戸山俊樹

オルガン:身崎真理子


J.S.バッハ/ロ短調ミサ曲


会場は東京オペラシティ。
チケットは当日券なしの満席! 上までびっしり埋まってました。
かなりすぐにチケットが売れたそうで、買うのが少し遅れただけで事務局のおばちゃんに「ほとんど売れちゃったよ~」と言われるようなすごい状況。
結局、場所は3階のバルコニー席に。
オケの真横なので独唱が違う方向へ飛んでってましたが、指揮台のシュナイトさんの指示・表情が良く見えたので、これはこれで良いかなと。

さて、個人的にバッハと言えば、パイプオルガンを聴いてるうちに眠っているというイメージの苦手意識がある作曲家。
ましてや今回は、全演奏時間が最低でも2時間超で全27曲からなるという長大な作品。ほっとくと間違いなくダウン確定。
そのため、今回は寝てはいけない!と奮い立ち、解説書のコピーを見ながら音源を聴いてみっちり予習しておきました。


満員の観客の拍手に迎えられ、ソリストとシュナイトさん登場。
5月の県立音楽堂では“大変なこと”になったので体調が心配でしたが、ちゃんと歩いてました。あれ?元気じゃない?
じめじめしてる日本からドイツに帰って体調が回復したようで何よりです。


さて、演奏については長いので印象が深かったところを。

第1部第1曲合唱「Kyrie eleison」
導入の一斉に合唱団が歌うところから一気にめくるめくシュナイトワールドへ。はうう~。
どっしりしたテンポにのせて、「主よ憐れみたまえ」の祈りがズーンと突き刺さります。
この重厚な響きは他では聴けないでしょう。
次に始まる対位法の掛け合いで特筆すべきは、多旋律がどんどんゴチャゴチャになってくのに歌詞がそれぞれちゃんと聴きとれること。
シュナイトさんは「言葉」が大事だ、と指導しているそうで、確かにミサ曲本来の用途としてはそれが本筋でしょう。
この遅いテンポでよく掛け合いが崩壊しないなと感心して聴いてました。

第5曲「Et in terra pax」
地上の(terra)平和(pax)を祈る歌、合唱コンクールの人気曲でも「インテラパックス」というのがありますね。
シュナイトさんが歌詞に対して一番指示を出していたように思える曲。
「pax」に関して並々ならぬこだわりがあるようで、何度も口を動かして「pax」と合唱団に言ってました。

第10曲メゾソプラノ独唱「Qui sedes」
オーボエ首席が奏でる物悲しいメロディーを、メゾソプラノの寺谷さんが繰り返します。
一度聴いたら忘れられないメロディーですね~。

第12曲合唱「Cum Sancto Spiritu」
第1部の最後の曲。合唱団・オーケストラ全員でとにかく盛り上がります。
合唱の掛け合いからオケがどんどん声量を増して華々しく締めくくる。
生演奏で圧倒され、宗教曲の持つパワーを体感しました。


ここで一旦休憩。もしかして一気に全部なのかと思ってましたが、さすがに休むようです。


第2部第17曲合唱「Crucifixus」~第18曲合唱「Et resurrexit」
キリストの受難という悲しみの前者から、復活の喜びの後者に大転換するという2曲。
猛烈に感情を歌詞に込めていて、曲の変わり目では音楽と共に劇的な効果を生み出してました。
歌詞の意味を大事にしているシュナイトさんだからこそ説得力があります。

第4部第24曲テノール独唱「Benedictus」・第26曲メゾソプラノ独唱「Agnus Dei」
ラストを控え、それぞれのソリストの大きな見せ場。
長丁場の最終場面ながら素晴らしいアリアでした。

第27曲「Dona nobis pacem」
はるばるミサ曲の世界を旅してきて、いよいよラストの曲。
第7曲とほとんど同じ旋律だそうですが、いやいや全く別物。
音楽で表現できる別世界の1つの極致へ到達してました。
シュナイトさんが何度も両手を組んで「祈り」の指示を出していたのが印象的。


そして、


残響が消えた後に広がる空白の20秒


いやもっと長かったかもしれません


永遠とも思える静寂ののち、会場は拍手に包まれました。


通算で2時間半にも及ぶ長い旅でした。
拍手もなかなか止まず、ホールを出たのは22時を回った頃。
「応援する会」の方々と足早に店を探し、閉店間際で短い時間ながら楽しい歓談の時を過ごさせていただきました。


バッハ研究家の礒山雅氏は著書で「ロマン派的なテンポが遅く旋律をたっぷり歌いあげるバッハがもてはやされているが、それはリズムを生命力とする本来のバッハではない。古楽器を利用してバッハが生きていた当時の演奏を再現する視点も大事である。」というような趣旨を述べています。
この言葉については全くその通りだと思います。
しかし、今回のような演奏を聴くと「別にロマン派的でいいじゃないか」と言う人が多いというのが良く分かりました。


シュナイトさん。今まで数々の素晴らしいコンサートありがとうございました。
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【あの静寂】
こんばんは。昨晩は、まさにお疲れさまです。
でも素晴らしいバッハを聴けた心地よい疲れですね。

毎度慣れ親しんだ静寂ですが、今回のものは特別に感じられました。
シュナイトさんに聴かせていただいたいくつもの名演の総仕上げ的なものでしたし。
ともあれ、シュナイトさんに感謝とお元気でエールを送りたいですね。
それと、神奈川フィルの素晴らしさも妙に感じた晩でもありました・・・(笑)
【】
>yokochanさん
ロ短調ミサはバッハの総集編ということで、今回の演奏会はまさにシュナイトさんの総仕上げでしたね。
聴いてる間、今までの名演の断片をあちらこちらで思い起こしてました。
神奈川フィルだったら…、というのはできるだけ考えないように努力してましたけどね。
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syllable

Author:syllable
出身:横浜
在住:三重→兵庫→三重(現在)
クラシックを中心にジャズやJ-POPなどを聴いています。
神奈川フィルを応援してます!

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